2013 Fiscal Year Research-status Report
溶接未溶着を有する鋼構造物の延性き裂の発生に対する評価手法の開発に関する研究
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24560588
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Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
葛 漢彬 名城大学, 理工学部, 教授 (90262873)
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Keywords | 溶接欠陥 / 鋼製梁ー柱隅角部 / 延性き裂 / 溶接仕上げ性状 / 耐震性能 |
Research Abstract |
本年度では,まず,鋼製橋脚隅角部の十字継手における溶接部仕上げ性状が地震時における極低サイクル疲労に起因する延性き裂発生性状と,最終的な破壊モードを確認するために繰り返し載荷実験による検討を行い,溶接部の仕上げ性状の違いによるき裂発生性状の違いを示した.その結果,鋼製橋脚隅角部の梁-柱交差部,十字継手において,溶接まま(As Weld),R仕上げ,止端仕上げの3種類を比較したときに,溶接部を仕上げた構造はAs Weldの構造に比べて極低サイクル疲労を対象とした場合においても延性き裂発生の時期を遅らせることが可能であることを実験的に示した. 次に,隅角部十字継手の破壊モードにおいて,溶接脚長が与える影響が大きいことに着目し,十字継手の溶接脚長を5mmとし,より未溶着の影響を反映できる4体の供試体モデルによる繰り返し実験を実施した.その結果,溶接未溶着部からのき裂進展モードが確認され,隅角部の極低サイクル疲労による延性き裂発生与える十字継手溶接ビードの影響を示し,その危険性を明らかにした. さらに,ソリッド要素を用いた解析的検討を行った.一連の解析において,溶接仕上げ性状,溶接未溶着高さの違いが水平荷重-水平変位関係におよぼす影響は,ほとんど確認できなかった,フィレット半径R=15mmの場合,部材軸方向ひずみにおいてフィレット近傍にて溶接未溶着高さを変化させるとひずみ集中現象が起きるが,損傷度評価指標Dにより延性き裂発生を評価できることを確認した,フィレット半径R=30mmの場合,部材軸方向ひずみにおいてフィレット近傍で溶接未溶着高さを変化させてもひずみ集中が起きずに,フィレットによる柱基部におけるひずみ集中の低減効果を確認した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画通り,実験と解析を実施し,成果をまとめて学会で口頭発表し,学術誌にも掲載している.
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Strategy for Future Research Activity |
計画通り進めていく.
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