2014 Fiscal Year Annual Research Report
エネルギー吸収デバイスとしての高力ボルト継手の開発
Project/Area Number |
24560591
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Research Institution | Ishikawa National College of Technology |
Principal Investigator |
三ツ木 幸子 石川工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (20581169)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 高力ボルト継手 / エネルギー吸収 / 耐震設計 / 終局挙動 / 実験的研究 / 評価方法 |
Outline of Annual Research Achievements |
高力ボルト継手をエネルギー吸収デバイスとして用いるため、片側1本ボルトおよび2本ボルトの高力ボルト継手試験体を用いて実験を行い、基礎データを収集した。 実験は、母材板厚9mm、19mm、28mmの試験を行い、縁端のせん断で破断するもの、純断面で破断するもの、ボルトのせん断で破断するもの、この3つのすべての破断ケースの実験結果が得られた。板厚28mmでは、片側ボルトの2本のケースも、ボルトのせん断破壊を起こすことを確実にするためM20のボルトを使用した。他のボルトはすべて、土木構造物で最も標準に用いられるM22のボルトを使用して実験を行っている。ボルトの破断は、部材が瞬時にバラバラになるため、破壊時の粘り強さを期待するため、ボルトのせん断破壊を起こさないことを確実にする設計法を推奨した。このボルトのせん断で破断しないように設計方法を確立するためのデータを収集し、その評価方法を検討し、一部提案を行った。 支圧部の塑性変形で、ボルトによる力の伝達力の均等化は期待できるが、終局時において、ボルトが2本の場合は、縁端距離によって、ボルトの伝達力の違いが大きくなることが予想され、19mmの試験で、縁端距離が40mmの場合に、ボルトの伝達力の差が大きくなり、この場合の継手耐力の低下が起きることを示し、概略評価する方法を提案した。この伝達力の違いは、予期しないボルトの破断を起こすこともありうるので、耐力評価する意味は大きいと考えられる。 一方、エネルギー吸収量の評価方法を検討するため、ボルト1本あたりのエネルギー吸収量を評価する方法を、実験中に添接板と母材の相対変位の計測と実験後のボルト孔の計測を行い、評価方法を提案した。また、一連の実験結果から、添接板の耐力を母材よりも低くすることで、交換が比較的容易な添接板を降伏させて、エネルギーを吸収し、母材を守る方法を提案した。
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