2013 Fiscal Year Research-status Report
広域強震動予測の為の表層地盤非線形増幅特性のモデル化と地域防災・国土保全への反映
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24560595
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Research Institution | Tobishima Research Institute of Technology |
Principal Investigator |
池田 隆明 飛島建設株式会社技術研究所, その他部局等, 室長 (40443650)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
紺野 克昭 芝浦工業大学, 工学部, 教授 (40276457)
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Keywords | 地震動 / 表層地盤 / 非線形特性 / 増幅特性 / 応答スペクトル / 地域防災 / AVS30 / 断層モデル |
Research Abstract |
地盤構造が明らかになっている地震観測地点の地震動記録を用いて地盤の非線形特性が表層地盤の地震動に及ぼす影響を検討した.断層モデルによる強震動予測(例えば,経験的グリーン関数法や統計的グリーン関数法,以下波形合成法)では,大地震と小地震の地震の相似則と震源スペクトルの相似則に基づき経験的または統計的グリーン関数の線形な重ね合わせで地震動が合成されるため,軟弱地盤では特に短周期領域で合成波形が過大評価となる. これまでの研究において,地震被害と相関が高いS波主要動の再現性に焦点を絞り,地盤の地震応答解析と波形合成法を組み合わせる方法を提案し,その有効性を実地震記録を用いて確認してきた.この方法では,評価地点毎に非線形地震応答解析を行うことから,適用には地盤の非線形特性を含む詳細な地盤特性が必要であるという制約がある.そこで要求された精度を有した簡便な方法の検討を実施した. 予測対象を応答スペクトルとし,経験的グリーン関数法のような断層モデルによる地震動予測法により直接評価した地盤の非線形性を考慮していない地震動の応答スペクトルから,地盤の非線形性を考慮した地表地震動の応答スペクトルを簡便に評価する手法を検討した.具体的には,工学的基盤から地表面までの応答スペクトルの線形増幅率と非線形増幅率との比を補正関数として,波形合成法から直接評価した応答スペクトルを補正するものである.補正関数は地盤の特性と入力地震動により変化するため,地盤の指標としてAVS30,入力地震動の指標として線形時の応答スペクトルの最大値とした.地盤構造が異なる複数の地盤モデルを想定し,地盤の線形解析と非線形解析を実施し,補正関数をモデル化した.検討方法を実地震記録に適用した結果,地盤の非線形性を良好に考慮できることが判明した. これらの研究成果については,土木学会論文集等に投稿・採用されている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度に遅延した研究項目【項目①-2】地震応答解析によるアプローチは予定通り平成25年度で実施しており,研究計画全体についてはおおむね順調と判断される.
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Strategy for Future Research Activity |
当初予定通り研究を実施し,最終の研究成果を達成する.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
地震動評価・地盤特性評価のための現場計測(微動測定ほか)を平成26年度にシフトし,平成26年度に実施予定の数値シミュレーションを行ったことから,予算の差異が生じた. 予定通り現場計測実施するためその費用として充当する.また,一部の調査地点については表面波探査などの他の地盤調査法を適用するため,その費用として充当する.
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Research Products
(3 results)