2013 Fiscal Year Research-status Report
地震動及び波の複合作用を受けた盛土構造物の危険度評価法の確立
Project/Area Number |
24560597
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Research Institution | Muroran Institute of Technology |
Principal Investigator |
川村 志麻 室蘭工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (90258707)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三浦 清一 北海道大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (00091504)
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Keywords | 盛土 / 地震動 / 波の侵食 / 模型実験 |
Research Abstract |
本研究は,地震および波の相互作用に対する盛土構造物の安定性に着目して,繰返し載荷履歴を受けた盛土構造物の崩壊のメカニズムの解明とその危険度評価法を提案することを目的とする.近年の地盤災害を考えると,地震動と他の外的要因の影響を複合的に考慮する必要があり,より高度でかつ信頼性の高い評価法を提案することが急務であると言える.ここでは,現有している二次元平面ひずみ模型土槽内に一次元(1自由度)の繰返し振動載荷履歴を与えることが可能な装置を付設し,地震動と波の載荷履歴を与えた模型実験を実施し,実務に適用可能な盛土構造物の耐震・耐波に対する評価手法の検討を行う. 本年度は,はじめに非排水三軸圧縮試験により,盛土材料として用いた駒岡火山灰土の力学挙動を把握した.次いで,一次元の繰返し振動載荷履歴を与えた場合の火山灰質盛土の動的力学挙動を把握した.その後,耐降雨,耐波に対する安定性について検討した.以下にその結果を示す. (1) 駒岡火山灰土の粘着力と内部摩擦角は,それぞれc'=0,φ'=38°となった.これらの値は同じ支笏を噴出源とする火山灰土と同程度である. (2) 入力加速度の違い及び初期含水比の違いは,振動時の崩壊形態や降雨時の崩壊形状ならびに力学的安定性に影響を及ぼす.特に,最適含水比を境界として,それらの力学挙動は明瞭に異なる. (3) 波の侵食及び繰返し載荷を受けた盛土斜面では,初期含水比の違いや繰返しせん断履歴の影響によって耐波性能が変化する.特に,乾燥側の含水比では侵食速度は大きくなり,湿潤側の含水比では侵食速度は小さくなる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度に計画していた室内要素試験ならびに一次元の繰返し振動載荷を与えた火山灰質盛土の模型実験の実施について,ほぼ計画通りに実施できた.
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度も研究計画通りに実施する予定である.締固め度と波高をそれぞれ2種類変化させたケースおよび盛土斜面に凍結融解履歴を与えたケースについて昨年度と同様の模型実験を実施する.それらのパラメータの違いによる斜面崩壊現象の変化(すべり形状,崩壊範囲など)を明確にする.得られた結果から,地震および波・降雨の相互作用を受けた盛土構造物の崩壊のメカニズムの解明とその危険度評価法を提案し,研究を総括する.
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