2012 Fiscal Year Research-status Report
土骨格変化を考慮した火山灰質地盤の地震時挙動と効果的な対策工の提案
Project/Area Number |
24560612
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Hachinohe National College of Technology |
Principal Investigator |
清原 雄康 八戸工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (20369911)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 三軸試験 / 不飽和土 / 火山灰質土 / 液状化抵抗曲線 / 変形特性 / しらす |
Research Abstract |
地震時に軽石混じり火山灰質土からなる盛土や擁壁が,水分の高い状態で液状化に似た泥流状崩壊を生じるメカニズム解明のための研究を行った.2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震にて宅地盛土が泥流状崩壊した現場から採取した火山灰質砂を採取し,水分量の違いが,強度に及ぼす影響の把握を静的に行った.初期サクション0,30,60,90kPa,基底応力45,90kPaでの応力-ひずみ関係などを求めた.残留状態では軸差応力は240kP付近に収束する傾向にあった.サクション90kPaの不飽和状態に比べサクション0kPaの飽和状態ではE50が2.3~2.6倍低下することが分かった. さらに,その試料を相対密度60%で突き固めた飽和供試体の拘束圧100kPa条件下での液状化強度特性と変形特性試験を行い,液状化しやすさについて定量的に把握した.飽和しらすの液状化抵抗は0.14であった. さらに,平成25年度に実施予定の振動台を用いた模型実験装置の準備を行った. 家屋の傾斜に影響を与えるローム地盤の不飽和状態下での強度変化特性についても,静的な単調載荷条件において,間隙モデルを用いた間隙比変化に伴う間隙径の推測やモデル化などをまとめた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初予定通り,静的な単調載荷での火山灰質砂であるしらすの排気非排水不飽和三軸試験を実施したとともに,平成25年度予定の繰返し三軸試験装置の整備まで行うことができ,飽和状態でのしらす液状化試験,変形特性試験結果を得ることが出来た.振動台試験装置については,別の予算措置もあり,自作ではなく,既成のパルスモーター式振動台を購入することができ,その試運転,計測機器の動作確認までを行った.
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Strategy for Future Research Activity |
青森と岩手北部での火山灰質砂の地震時泥流状崩壊現場の試料土を用いての,飽和状態下での液状化強度試験と変形特性試験を引き続き行う.地盤工学会で宅地の被害と復旧についての,書籍発行予定があり,そのための,地盤基礎データを提供出来るようにする. さらに,繰返し三軸試験装置の下部ペデスタルを不飽和試験用のものに交換し,不飽和状態での液状化強度と変形特性試験をB値やサクション,体積変化を計測しながら行う.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度購入予定の繰返し三軸試験装置の一部を,別の予算で購入出来た一方,平成25年度購入予定の振動台実験で用いる計測機器については,追加で記録装置が1台必要になり,平成24年度分の繰り越しを,そちらの購入に充当する計画へと変更する。 また,模型振動台実験のための計測機器の整備に加え,実規模での地盤改良のための薬液注入用の機材整備や,不飽和繰返し三軸試験を行うための既存装置の改造などに使用予定である.
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Research Products
(5 results)