2013 Fiscal Year Research-status Report
土骨格変化を考慮した火山灰質地盤の地震時挙動と効果的な対策工の提案
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24560612
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Research Institution | Hachinohe National College of Technology |
Principal Investigator |
清原 雄康 八戸工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (20369911)
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Keywords | 繰返し三軸試験 / 液状化抵抗曲線 / 変形特性 / しらす / 火山灰質土 |
Research Abstract |
2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震にて宅地盛土が泥流状崩壊した現場である二戸市と田子町から採取した火山灰質砂(しらす)を用い,その試料を相対密度60%で突き固めた飽和供試体の液状化強度特性試験を行った. さらに二戸市のしらす試料を用いて変形特性試験を行い,液状化しやすさについて定量的に把握した.そして,LIQCAによる液状化解析コードを用い,解析結果と実測値を比較しながら,入力パラメータの決定を行い,1次元地盤をモデル化しての地震時応答解析,現象再現を行った. 田子町のしらすを用いて,浸透型薬液を供試体に混合した場合の液状化強度の増加効果を定量的に把握した. さらに,小型振動台を用いた模型土槽(90×20×40cm)実験装置に,八戸しらすを突き固め,境界条件を板のような剛なもの,スポンジのような柔ななものとした場合,土槽の水分量を変化させた場合など,条件を変えて,土槽の入力加速度振動数に対する,地表面の加速度応答特性など,基本的な土槽の特性把握を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
飽和繰返し三軸試験装置を用いての,二戸と田子繰り返し液状化強度特性,二戸の繰返し変形特性試験,26年度予定だった薬液注入時の液状化強度試験を行った.採取場所ごとの試験行ったこと,薬液注入対策の試験,解析を追加で行ったため,25年度予定の,不飽和繰返し三軸試験は実施出来なかった.こちらは26年度実施予定である. 不飽和解析コードの開発に関しては,ローム土の静的な不飽和強度特性を用いての,水分特性曲線の間隙比依存性を考慮したモデル化を行い論文執筆,査読修正を行った.採択され,平成26年7月に不飽和土の国際学会で発表予定である. 振動台試験装置については,八戸しらすを用いての,模型地盤の応答特性,境界条件,水分量の違いと応答倍率の関係などを把握した. 被害のあった二戸での飽和液状化特性,変形特性試験結果を用いて,飽和地盤を想定しての液状化解析を行った.
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Strategy for Future Research Activity |
これまで被害のあった二戸市,田子町での飽和液状化強度特性把握をそれぞれ並行して行ってきたが,今後は,二戸しらすの崩壊メカニズム解明に焦点を絞って,不飽和状態での強度特性,土構造の間隙径変化の把握などを行う. 7月初旬には,不飽和土の国際学会にて,ローム土の静的荷重作用時の,骨格の間隙径の変化挙動についての論文発表を行う.今後,八戸ローム土についても不飽和繰返し特性を把握し,構造の変化との関係を把握する. 繰返し不飽和三軸試験結果を,LIQCAなど既存の液状化解析コードをベースにした構成則に反映させ,飽和,不飽和でのパラメータの比較,小型振動台実験結果,実規模での挙動再現等に挑戦したい.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
繰返し不飽和三軸試験装置の整備を後回しにして,平成26年度実施のものを平成25年度に行うなど,一部入れ替えが生じ,平成26年度に研究設備更新のための費用が予定より多く必要になるため,次年度使用額が生じた. 不飽和動的試験装置整備のための費用に用いられる.
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