2012 Fiscal Year Research-status Report
高解像度衛星画像・数値地形情報を用いた大河川実河道データセットの開発
Project/Area Number |
24560619
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
石平 博 山梨大学, 医学工学総合研究部, 准教授 (80293439)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 河道 / 衛星画像 / 地理情報システム |
Research Abstract |
本研究の目的は、高解像度衛星画像と数値地形データを用いて、河幅や河岸地形情報を含みかつ様々なスケールでの解析に利用できる新たな実河道データセットを作成することである。また、アジア地域の大河川を対象としてデータセットの作成を行うとともに、作成したデータからの河道特性(平面形状の特徴や縦断・横断形状など)の抽出とその河川間で比較や、数値モデルへの導入とその効果の検討を行う。 本年度は、データセット作成手法・ツールの開発に取り組むとともに、これを用いたデータ作成にも着手した。本研究で開発したデータセット作成手法では、まず、高解像度衛星画像(Landsat-TM)の雲除去モザイクデータであるGeoCover、全球陸域の高解像度数値標高データASTER G-DEMを入力として、両岸水際線、河道中央線などを含む「河川平面形状データ」、河道中央線に沿って等間隔(1km間隔)に設定される断面位置における「河道横断形状データ」を作成する。なお、横断形状データにおける水面以下の低水路部分についてはSchulze et al.(2005)の方法に基づき矩形断面として与えている。さらに、各断面位置(ノード)に対して、集水面積、流量、平均水深などの属性を付加することで河道データセットを完成させる。なお、これらのデータセット作成過程の大部分については、独自に開発するソフトウェアにより自動化されている。次に、開発した作成手法をアジアの主要河川の一つであるメコン河に適用してデータセットの試作を行い、データ作成ツールを含む手法全体が適切に機能することを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画通り、データセット作成のためのツールを開発し、次年度以降に実施を予定している本格的なデータセット作成のための技術基盤を確立した。また、アジア域の大河川を対象として、作成したツールの動作確認とデータセットの試作を実施し、データセット構築の作業工程の確認と作成に要する時間の見積もりなども行った。これらの成果から、本研究は当初計画通りおおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度得られた成果をもとに、今後は以下の項目について検討を行っていく予定である。 1) 作成手法の検証及び改良: 現地測量や既存の地図から得られている河幅、河道の縦断・横断形状などのデータと、今回作成したデータとを比較することで、作成したデータの妥当性を検証する。また、水際線抽出などデータセット作成過程での作業を効率化やツールの改良についても検討を行う。 2) 河道特性の抽出と比較: 作成したデータをもとに、曲率半径分布など河道の平面形状に関する特徴や河幅-集水面積関係及び河幅-流量関係のパラメータ、河岸地形の特徴などを抽出するとともに、アジア主要河川におけるこれら河道特性量の相互比較を行う。 3) 作成したデータセットの利用・応用研究: 作成した河道横断形状データを分布型水文モデルや1次元河道追跡モデルに導入することで河道水理量の再現精度がどの程度向上するのかを明らかにする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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Research Products
(2 results)