2013 Fiscal Year Research-status Report
高解像度衛星画像・数値地形情報を用いた大河川実河道データセットの開発
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24560619
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
石平 博 山梨大学, 医学工学総合研究部, 准教授 (80293439)
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Keywords | 河道 / 衛星画像 / 地理情報システム |
Research Abstract |
本研究の目的は、高解像度衛星画像と数値地形データを用いて、河幅や河岸地形情報を含みかつ様々なスケールでの解析に利用できる新たな実河道データセットを作成することである。また、アジア地域の大河川を対象としてデータセットの作成を行うとともに、作成したデータからの河道特性(平面形状の特徴や縦断・横断形状など)の抽出とその河川間で比較や、数値モデルへの導入とその効果の検討を行う。 本年度は、現地観測で得られている河幅、河道の縦断・横断形状などのデータと、本研究で衛星・地理情報から作成したデータとを比較することで、作成したデータの妥当性を検証した。検証には、山梨大学の研究グループが2005年に実施したメコン河本川の河川調査により得られた河道形状データや、タイ国王立灌漑局が作成したチャオプラヤ河の横断面測量結果などを用いた。その結果、本研究で作成したデータセット(及び作成手法)の妥当性が確認された。また、作成したデータをもとに、曲率半径分布など河道の平面形状に関する特徴や河幅-集水面積関係及び河幅-流量関係のパラメータ、河岸地形の特徴などを抽出するとともに、アジア主要河川におけるこれら河道特性量の相互比較を行った。さらに、国際的な水文・水資源関連会議等への参加を通じ、世界各国における実河道データセットを含む河川関連情報の整備状況やこの種のデータに対するニーズなどの情報を収集した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画通り、データセット作成手法の妥当性を確認するともに、作成したデータから河川管理に応用できる河道情報の抽出も実施した。さらに、各国の実河道データセット等の河川関連情報の整備・利用状況調査も実施できた。これらの成果から、本研究は当初計画通り順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度は、作成したデータセットの利用・応用研究を実施する。具体的には、作成した河道横断形状データを分布型水文モデルや1次元河道追跡モデルに導入し、河道を介した土砂や汚濁物質の輸送過程のモデリングに対するする実河道情報の導入効果を定量的に評価する。また、作成したデータセットの一般公開に向けた環境整備(データマニュアルの作成等)、研究成果の取りまとめ、国内外の学会及び学術雑誌における発表も行う。
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Research Products
(1 results)