2012 Fiscal Year Research-status Report
リモートセンシングによる自然災害後の濁水がサンゴ礁・藻場に与える影響調査手法開発
Project/Area Number |
24560623
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
作野 裕司 広島大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (20332801)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | リモートセンシング / 海岸工学 |
Research Abstract |
高解像度/高スペクトル分解能衛星センサデータ(現行のWorldView-2や将来のHISUI)を使って, サンゴ礁・藻場の土砂量推定アルゴリズム開発のための現地調査を行った.現地調査は筆者らが5年以上の調査経験があり,台風の発生地域で土砂によるサンゴ被害を度々受けている奄美大島の住用湾と土砂災害被害の比較的少ない大浜海浜公園とした.現地調査は2012年12月19日~21日に行った.調査内容は,サンゴ礁上の4測点(住用湾),7地点(大浜海浜公園)において,水質調査とダイビングによるサンゴ礁上の土砂堆積状況の把握と船上における分光計を使った分光反射率および透明度測定等の水質調査を行った.観測できたサンゴの種類は,クシハダミドリイシ,ハマサンゴ,ハナヤサイサンゴ,トゲミドリイシであった.また,住用湾では33地点(数百メートル程度間隔)において,濁度計による濁度分布調査を行った.このように取得された反射率,水質データは,生物光学モデルに入れられ,あらかじめサンゴ水槽で計られたサンゴの反射率(水深0の状態)から逆算して,表層の反射率に精度よく再現できることが確かめられた.この結果から,一定の条件を与えれば衛星が観測可能な表層反射率から水中の濁度(底質が既知でChl-a一定の場合)または底質(水質既知)を逆算できることとなり,実際にMatlabソフトウェアを使って,衛星ASTERデータから濁度あるいは底質の反射率を導く自動処理プログラムを開発した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予算の関係で,申請当初の計画の100%遂行は難しいが,概ね順調に進展している.特に当初予定していたWorldView-2の観測リクエストは効果で予算上難しく,衛星同期ができないので,LCI手法の検証,また購入したサンフォトメータによる観測も当該年度は見送った(ただし,サンフォトメータは大学において動作テストは行った).一方,現地調査データ(サンゴの種類,水質調査)の取得や解析は順調で,生物光学アルゴリズムによる反射率の再現実験,衛星データの自動処理プログラム開発など,当初計画していた以上の成果も多く出た.以上を踏まえると,研究は概ね順調に進展していると考えられる.
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Strategy for Future Research Activity |
船上から気球を上空約100m掲揚して繰り返し水面の撮影を行うことにより,高解像度流向流速分布推定アルゴリズムの開発を行う.研究対象域は,平成24年度で現地調査を行った奄美大島住用湾内のトビラ島周辺または大浜海浜公園周辺とする.推定手法としては,異なる時間の画像の差分を利用したPIV手法を応用する.ただし,水面のみの撮影では確実な分布を得られない可能性が高いため,浮子を使う.河川の流れのPIVでは着色マーカーを使うことも多いが,気球の性能上比較的狭い範囲(100m四方程度の礁池を対象)を短時間で撮影しなければならないため,浮子(エコフロート)を画面内に6個程度設置し,浮子をマーカーにして何点かは確実に流向流速が得られるように工夫する.ただし1点は精密な流向流速計を投入する.ただし,プラットフォームは固定できないため,不動の岸を入れるようなアングルで斜め写真を撮影し,最終的な幾何補正を施す.また気球をあげている間,観測船で素早く10点程度の流向流速を測定し,検証データとする.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
備品として当初計画していた流向流速計は別予算の経費で購入できたため,1年目の調査で破損してしまい,今年度以降の調査にも必要な分光計(MS720,EKO社)を購入する.この分光計は1年目の調査に使った機器と同型で流速計と同価格(120万円)である.また簡易空撮気球(ひばりは見た,アイテック社)も10万円で購入する.さらに消耗品として,ヘリウム,エコフロートで10万円,調査旅費10万円,その他(学会誌投稿料等)で10万円,使用予定である.
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Research Products
(19 results)
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[Journal Article] Initial validation of COMS GOCI data in Tokyo Bay, Japan2012
Author(s)
Sakuno, Y., Nishi, N., Kobayashi, H., Higa, H., Koibuchi, Y., and Toratani, M.
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Journal Title
Proceedings of International Symposium on Remote Sensing 2012 (ISRS2012)
Volume: ISRS2012
Pages: CD-ROM
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[Journal Article] Simulation of chlorophyll-a estimation by WORLDVIEW-2 in the urban rivers of the Dominican Republic using field spectral data2012
Author(s)
Sakuno, Y., Mino E. R. A., Nakai, S., Mutsuda, H., Okuda, T., Nishijima, W., Castro, R., Garcia, A., Pena, R., Rodriguez, M., Depratt, C. G.
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Journal Title
Proceedings of The 33nd Asian Conference on Remote Sensing (ACRS2012)
Volume: ACRS2012
Pages: CD-ROM
Peer Reviewed
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