2013 Fiscal Year Research-status Report
沿岸環境評価における赤潮シミュレーションの可能性と限界
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24560626
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
安達 貴浩 鹿児島大学, 理工学研究科, 教授 (50325502)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齋田 倫範 鹿児島大学, 理工学研究科, 准教授 (80432863)
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Keywords | シャトネラ / 赤潮 / 鹿児島湾 / 八代海 |
Research Abstract |
2013年度においては,これまでと同様に,鹿児島湾と八代海において,係留式の機器を用いた水質の連続観測を実施した.同時に,採水による多項目の水質調査を実施した.いずれの水域でも,本研究のターゲットであるシャトネラ赤潮は発生しなかったが,観測と並行して,鹿児島湾や八代海の流況や水質環境を高精度かつ高速に解析できる3次元流動・低次生態系モデルを構築した.同時に,1次元生態系モデルにシャトネラモデルを導入し,珪藻とシャトネラの競合関係を検討可能な基盤を確立した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2012年度と2013年度には,鹿児島湾と八代海において,シャトネラ赤潮は発生しなかったが,現地観測の実施により,少なくともシャトネラ赤潮の発生がない年の観測データを取得することができた.さらに当初の予定通り流動・低次生態系モデルを確立できている.このような状況にあることから,シャトネラ赤潮が一旦発生すれば,その発生メカニズムを検討できる体制を構築できたと言え,おおむね順調に進展しているものと判断する.
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Strategy for Future Research Activity |
2014年度も鹿児島湾と八代海において継続的に調査を実施し,赤潮が発生した場合には観測頻度を高める予定である.必要に応じて,赤潮頻発水域である山川湾や有明海においても調査を実施し,所定の目的を達成する予定である.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
鹿児島湾と八代海において,シャトネラ赤潮が発生した場合に,高頻度な現地調査を実施する予定であったが,2012年度と2013年度には,シャトネラは赤潮を形成しなかった.このため,当初予定していた旅費,観測に必要な消耗品の支出が予定よりも少なくなった. 2014年度もこれまで通り,鹿児島湾と八代海において,シャトネラ赤潮が発生した場合に,高頻度な現地調査を実施する予定であるが,同時に,赤潮発生頻度の高い,有明海,山川湾,大鶴湖を対象に,赤潮データを確実に取得する予定である.これらの観測の実施には,多くの旅費,消耗品費が必要であり,また,効率的に観測を実施するための備品を購入する予定である.
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