2013 Fiscal Year Research-status Report
まちづくり活動ユニットの相補関係導出による地域システムの構築に関する研究
Project/Area Number |
24560654
|
Research Institution | Fukushima National College of Technology |
Principal Investigator |
齊藤 充弘 福島工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (20353237)
|
Keywords | コミュニティ / 自治会・町内会等 / まちづくり / 空間構成 / 東日本大震災 |
Research Abstract |
平成25年度は,次の2つの調査を実施した。 第一に,いわき市内全域の自治会・町内会等の空間構成について,現地調査と行政資料より明らかにし,その結果を地理情報システムを用いてデータベースとして作成し,分析した。その結果,自治会・町内会等は,地区内に均一の面積で分布しているのではなく,周辺地域と比較して面積が小さく,集積している地域があることがわかった。特に,市街地地域に該当する小名浜地区においては,人口が多く集中した中心市街地及び住宅団地において集積していることがわかった。また,自治会・町内会等と相当する行政区分についての分析により,自治会・町内会等と行政区分との関係は,大字及び小字との関係により,10種類に分類することができた。該当数をみると,一つの大字内で形成されるものが対象地域全体のなかで最も多く,さらに小字との関係では,複数小字全域と複数小字一部が混在したものが最も多いことがわかった。 第二に,自治会・町内会等の区長を対象として,それぞれの自治会・町内会等における日常と非日常,さらには東日本大震災を通したコミュニティの実態を明らかにするためにアンケート調査を実施した。その結果,日常のコミュニティについては,「現存」が「なし」であったり,「消失」であったりと,自治会・町内会等によりさまざまな形態をみることができることがわかった。また,大震災時におけるコミュニティの実態として,震災前の活動数に関係なく,多く行われていた活動がある一方で,活動数により差がみられる活動もあることがわかった。 最後に,自治会・町内会等の空間構成とそのコミュニティの実態との関係により,震災前の活動数が特に多い自治会・町内会等は住宅団地に,少ないところは中心市街地に多くみることができた。また,その空間構成および日常のコミュニティの存在が,地震発生直後の活動と一定の関係を有していることがわかった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
自治会・町内会等の空間構成については,行政においてもなかなか把握しておらず,資料の収集をはじめ,現地調査に当初の想定以上の時間を費やすことになってしまった。そのため,その後に予定をしていたアンケート調査をはじめとする調査・分析のスケジュールが,全体として遅くなっている。 しかしながら,遅れながらも空間構成に関する地理情報システムを活用した作図とアンケート調査を実施することができたため,今後は早急にデータの分析とその結果に基づく追調査・分析を行い,各種コミュニティ間の関係性と,自治会・町内会等にみる空間構成との関係性について追究していく予定である。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は,これまでに収集したデータと作成したデータベースや地図を基に,コミュニティの実態について分析をしていく。アンケート調査の結果より,コミュニティの有無や活動実態については,自治会・町内会等により異なることが明らかとなったため,当初想定した生活,生産,自由の目的別にみる活動メニューが必ずしも適切な分類であるとはいうことができないため,その見直しをした上で,分析を進めていく。また,空間構成との関係性についても並行して分析を進め,明らかにしていく。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
やや遅れている研究の進捗状況より,アンケート調査の追調査・分析分の旅費と謝金に相当する金額が未使用となっている。 次年度に繰り越して取り組む調査・分析において,引き続き使用していく。
|
Research Products
(2 results)