2014 Fiscal Year Annual Research Report
GISを活用した自転車事故の分析と防止策に関する研究
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24560655
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Research Institution | National Research Institute of Police Science |
Principal Investigator |
萩田 賢司 科学警察研究所, 交通科学部, 主任研究官 (00356221)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 交通事故 / 自転車 / GIS / 太陽の眩しさ |
Outline of Annual Research Achievements |
自転車走行空間を整備する際において、交通安全の観点から検討するための資料を作成することを目的として、自転車事故と各種関連データを地理情報システム(GIS)をベースに統合し、分析する研究を実施した。 千葉県において、背景地図、降水量データ(mm/10 分)、太陽位置データを自転車事故データと統合した。そのうえで、千葉県の東葛地区においては、これらのシステムに交通管制データも統合し、自転車事故当事者の進行方向の方位角と背景地図を元に、事故発生時の自転車と自動車の通行方向を解析した。このようにして、分析に用いる統合的な自転車事故統合分析システムを構築した。 そして、自転車の通行方向、降水量データ、太陽の眩しさ、交通量等の影響についての自転車事故分析を行った。自転車の右側通行と左側通行を比較した分析では、自転車が右側通行である場合の事故率が高いことが示された。道路形状別に分析した結果、交差点事故では、信号機の有無により事故形態が大きく異なることが示された。単路部においては、自動車の路外から車道に進入したときの自転車事故が多発していること、自転車の車道走行と歩道走行を比較したところ、車道走行の事故率が高いことなどが示された。 太陽の眩しさや西日が原因となった自転車事故の分析では、自動車が右左折時に自転車が対応側から進入し、自転車の真後ろ側に太陽が存在する場合に極めて危険な状態であることが示された。雨天時事故の分析では、雨天時は自転車の交通量が少ないためであると考えられるが、降雨強度が高くなるにつれて、自転車事故の割合が低くなることが示された。 このような自転車事故分析を行い、自転車走行空間を構築する際の交通安全対策についての提案を行った。
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Research Products
(3 results)