2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24560658
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
藤田 昌史 茨城大学, 工学部, 准教授 (60362084)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 硫酸塩還元細菌 / 都市下水 / 海水 / 微生物燃料電池 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度の研究計画では,硫酸塩還元細菌などの有用微生物群の動態を再現し処理水質を予測可能な数学モデルの構築を予定していた.パラメータの普遍性を高めるために,温度依存性を表現する必要があるため,このような実験を補足的に実施しながら,これまでに得た知見を利用して数学モデルの開発を行った.Monod型反応速度論を基礎とした反応速度式により,硫酸塩還元や有機物除去の過程を再現することができた.また,平成25年度に計画段階では想定していなかった微生物燃料電池の利用可能性が示されたことから,平成26年度はエアカソード型微生物燃料電池の運転を行った.都市下水に海水を強制添加した系(海水添加系)と都市下水のみを添加した系(対照系)を設けた.いずれも都市下水の有機物除去率は85%以上を示し,水理学的滞留時間24時間における有機物除去の観点では差はなかった.海水添加系の最大の出力密度は,外部抵抗が1MΩのとき3.0×10-5 W/m2であった .本研究では陽極に白金塗布などを行っていないため,出力密度は既報よりも小さかったが,対照系よりも高い出力密度が得られた.海水を投入することにより,活性汚泥混合液の電気伝導度が高くなり,装置の内部抵抗が減少したためと考えられた.これは,財源が乏しい中部太平洋環礁国において,海水が浸入する既設のボトムレスSeptic Tankを用いて,エネルギー自立的な排水処理システムを構築できる可能性を示している.
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Research Products
(3 results)