2014 Fiscal Year Annual Research Report
個別粒子の偏光特性を利用した自由対流圏越境輸送微粒子の動態解明
Project/Area Number |
24560660
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
小林 拓 山梨大学, 総合研究部, 准教授 (20313786)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 越境汚染 / 自由対流圏 / 大気微粒子 / 黄砂 / 偏光光散乱式粒子計測器 / 御嶽山 / 火山灰 |
Outline of Annual Research Achievements |
自由対流圏の気塊を採取することが可能な木曽駒ヶ岳千畳敷へ偏光光散乱式粒子計測器(以下偏光OPC)を平成25年12月に設置し,今年度は引き続き観測を実施した.平成26年5月にデータ取得用コンピュータが不調になり,8月に交換作業を実施した.携帯電話網を使用しデータ取得用コンピュータを監視していたが,10月頃に通信が途絶えた.11月に現地に赴き,通信機器やコンピュータの再起動を実施したが,再び通信が途絶えた.平成27年3月に確認したところ,データ取得用コンピュータが停止しており,前年の11月からデータ取得を失敗していた. 偏光OPCから得られた粒径と形状に関する情報から,微粒子の組成について推定するために偏光OPCによる測定結果と平行して実施したフィルターサンプリングから得られた微粒子のイオン成分濃度,および非水溶性粒子の体積濃度とを比較した.これらの結果を元に,偏光OPCの測定結果から黄砂のような鉱物粒子と人為起源の微粒子とに区分する方法を決定した. 木曽駒ヶ岳で得られた偏光OPCの測定結果から,決定した区分方法を用いて組成別の微粒子の重量濃度を推定した.データが取得できた期間は,平成25年12月から5月,8月から11月である.人為起源微粒子の濃度は10mg/m3を超えることもあり,平成25年夏季に富士山頂で測定した値より高い日が多く見られた.鉱物粒子の濃度は大陸から気塊が高頻度で飛来する春季に非常に高くなり,100mg/m3を超えた日が数日あった.機器を設置した場所は5月頃までは積雪に覆われており,近傍からの鉱物粒子の巻き上げは殆ど無い.そのため,測定された高濃度の鉱物粒子は大陸から越境輸送されたものである可能性が高いと考えられる. 平成26年9月27日に木曽駒ヶ岳(宝剣岳)から西方30kmに位置する御嶽山が噴火した.偏光OPCにおいて,火山灰とみられる粒子が測定された.
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] Development of a polarization optical particle counter capable of aerosol type classification2014
Author(s)
Hiroshi Kobayashi, M. Hayashi, K. Shiraishi, Y. Nakura, T. Enomoto, K. Miura, H. Takahashi, Y. Igarashi, H. Naoe, N. Kaneyasu, T. Nishizawa, N. Sugimoto
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Journal Title
Atmospheric Environment
Volume: 97
Pages: 486-492
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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