2014 Fiscal Year Annual Research Report
薬液注入による地盤内汚染物質の封じ込め効果と長期安定性の解明
Project/Area Number |
24560668
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Research Institution | Chiba Institute of Technology |
Principal Investigator |
小宮 一仁 千葉工業大学, 工学部, 教授 (30234884)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 放射性物質 / 汚染 / 封じ込め / 環境影響 / 薬液注入 / 地盤 |
Outline of Annual Research Achievements |
2011年3月11日に発生した福島第一原子力発電所の事故現場では、 四年以上が経過した現在でも地下水への汚染水の漏洩が深刻な問題である。 このような地下水汚染問題では、 土壌に浸透した汚染水がどのように拡散するのかを明らかにし、 汚染水の影響範囲を予測する必要がある。 その予測手段の一つに移流分散解析がある。本研究の目的は、移流分散解析法を用いて汚染物質拡散の精度の高い予測を行うための解析法の開発、及び広域・大深度堆積地盤の透水係数と貯留係数を決定することにある。研究最終年度の平成26年度は、長期大深度地下間隙水圧観測結果に基づき、広域・大深度透水係数及び貯留係数の決定法を提案した。 透水係数は、大深度地下間隙水圧観測結果から井戸理論を用いて透水係数を求め、広く用いられている土の粒度分布を用いたヘーゼン(Hazen)及びクレーガー(Creager)の実験式との比較を行い、これらの実験式が広域・大深度地盤に適用可能かどうかを検討した。その結果、ヘーゼンとクレーガーの実験式により求めた透水係数は、井戸理論による透水係数と近い値を示し適用可能なことが明らかになった。貯留係数については、地下80mの間隙水圧挙動と地下400mの間隙水圧挙動との間にタイムラグが存在することに着目し、観測結果と周辺地域の揚水のデータから推定する方法を確立した。これらのパラメーター推定法の確立と同時に、移流分散解析プログラムを構築し、汚染物質の拡散の解析を可能とした。 また、汚染物質の封じ込めのために有効とされている、地盤内への薬液注入工法に関して、放射線の影響等のために工事に時間をかけられない現場にこの工法を用いるため、注入効果確認をより迅速に行う方法の開発を行った。さらに、非常に高い強度の得られる懸濁型薬液の浸透注入についての基礎理論を確立した。研究成果は論文及び学会講演において公表した。
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Research Products
(6 results)