2013 Fiscal Year Research-status Report
簡易なセラミック膜を用いたハイブリッド型水浄化システムの開発と途上国への適用
Project/Area Number |
24560671
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
中島 淳 立命館大学, 理工学部, 教授 (00309098)
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Keywords | 簡易セラミック膜 / 水浄化システム / 安定化池法 / 途上国 / バングラデシュ / 溜池 |
Research Abstract |
課題A(安定化池と膜分離とのハイブリッド化の検討):アクリル水槽と人工光を用いた安定化池室内実験装置を作り、粘土土壌と米糠に水を加え混合して焼成した簡易セラミック膜を用いて、安定化池反応槽の混合液(藻類と細菌類が混合して浮遊)をポンプで吸引ろ過し処理水を得た。前年度までは、膜ろ過フラックスおよびBOD負荷量を変化させた実験を行ったが、平成25年度には、滞留時間(HRT)を変化させた実験を実施した。すなわち、フラックスとBOD負荷量を固定した条件下で、HRTを2d、4d、7dの3条件に変化させた。その結果、HRTの違いによるDOの低下はみられなかったが、HRTの減少に伴い、TOCの増加と目詰まりリスクの増加傾向が認められた。 課題B(溜池のカテゴライズと使用実態の把握):バングラデシュ西部のクルナ市およびその近郊農村部を調査対象として、散在する溜池(生活用、排水用、農業用、漁業用、都市生活用の5カテゴリーに分類)の形状・サイズ、流入水の種類、水質、用途などの基礎データを、前年度に実地調査した。平成25年度にはこれらの水質特性をとりまとめ、また主成分分析等によってその構造を解析した。 課題C(溜池水浄化システムの提案):課題Aの結果から、簡易セラミック膜による藻類と細菌類が混合して浮遊している溜池水のろ過による浄化が可能と考えられたので、5カテゴリーの溜池水のろ過実験を行った。すなわち、平成25年9月(雨期)および平成26年2-3月(乾期)に、簡易セラミック膜および簡易セラミック膜に鉄網またはくん炭(もみ殻炭:乾期は固定化したもの)を添加した装置を用いて、溜池水のろ過実験を行った。その結果、簡易セラミック膜ろ過ではSSと濁度の減少が、また鉄網の添加によるリンの減少が認められた。また、大腸菌群数と大腸菌についても2log程度の減少が得られている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
課題A:安定化池と膜分離とのハイブリッド化の検討、課題B:溜池のカテゴライズと使用実態の把握、課題C:溜池水浄化システムの提案のいずれについても、おおむね予定どおりに研究が進捗している。
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Strategy for Future Research Activity |
課題C:溜池水浄化システムの提案 平成25年度のろ過実験結果をもとに、処理効果、導入可能性、持続可能性などから、導入可能な溜池水浄化システムについて検討する。また、検討したシステムによる水処理実験を行い、衛生指標、有機物指標、洗剤などに関する処理性能と、維持管理性能に関するデータを得て解析する。最後に、実験結果をもとに、当該地域に導入可能なハイブリッド型水浄化システムを提案する。
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Research Products
(7 results)