2012 Fiscal Year Research-status Report
地盤環境振動を地盤上で対策するためのTMD制御に関する研究
Project/Area Number |
24560673
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tobishima Research Institute of Technology |
Principal Investigator |
小林 真人 飛島建設株式会社技術研究所, -, 上席研究員 (60443652)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 泰尚 埼玉大学, 理工学研究科, 准教授 (90322023)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 建設工事 / 重機振動 / 幾何減衰 / 内部減衰 |
Research Abstract |
建設工事や工場・事業場,および道路交通の振動(以下,「地盤環境振動」とする)による苦情が減少しない現状において,地盤環境振動の人体への影響が最も大きい5Hzから10Hzの振動を低減させる手段がないことが問題である。本研究では地盤環境振動を効果的に低減させることをために,地盤環境振動のTMD制御に関する設計技術を確立することを目的としている。平成24年度は地盤環境振動の性状を解明するために飛島建設株式会社の施工現場において,地表面の180°の水平面に45°刻みで5測線(各測線4測点)を設定して0.8m3級油圧シャベルによる走行,掘削,埋戻し,バケットあおり作業や10tonダンプトラック走行による振動を調査し,周辺地盤における固有振動数と応答振幅,および周辺地盤の幾何減衰と内部減衰を明らかにした。その結果,もっとも大きな振動を発生させるのは油圧シャベルの走行であることが判った。その時の地盤の固有振動数は約4Hz,応答振幅(油圧シャベルから2m地点で約85dB),幾何定数はおおむね0.5であり表面波の幾何減衰を取ること,および内部減衰定数は0.01ほどであり,振動源から近接する範囲では内部減衰は大きくないことが明らかとなった。更に,油圧シャベル走行経路と振動計測点の間に掘削残土による盛土を構築したところ,盛土背後の振動計測点では振動応答が小さくなっていたことから,本研究の目的である地盤環境振動のTMD制御についてその効果の可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究初年度における研究計画をおおむね予定した内容で実施して所定の成果を得た。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度に得た地盤環境振動の性状に基づいて,平成25年度には振動応答解析技術によるTMD制御効果を解析的に明らかにする。振動応答解析技術による応答解析では工事現場等で容易にTMDとして構築できることを念頭おいて,制御系のバネ-マスを掘削残土による盛土で構築する場合や,バネとして一般的な防振コイル,質量としてコンクリートブロックを用いた場合について検討する。これらにより平成26年度に実施するモデル実験の仕様を確定する。また,平成24年度にはTMDが最も制御効果を発揮する定常振動源による振動性状データを現場実験により調査する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
①定常振動源の振動性状データの現場調査(40万円) ②振動応答解析用パソコン導入(30万円) ③振動応答解析データ整理等の学生アルバイト(20万円) ④学会発表登録費(2万円),学会参加交通費(10万円) ⑤打合せ交通費(8万円)
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