2013 Fiscal Year Research-status Report
地盤環境振動を地盤上で対策するためのTMD制御に関する研究
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24560673
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Research Institution | Tobishima Research Institute of Technology |
Principal Investigator |
小林 真人 飛島建設株式会社技術研究所, -, 上席研究員 (60443652)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 泰尚 埼玉大学, 理工学研究科, 教授 (90322023)
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Keywords | 建設工事 / 地盤振動対策 / TMD |
Research Abstract |
本研究の目的は建設重機等により発生した地盤環境振動を地盤上で対策するためのTMD制御に関する設計技術を確立することである。振動規制法施行状況調査によれば,建設作業による苦情は全体の7割を占めており効果的な振動低減対策の開発が待たれている。建設振動対策として防振溝や防振壁などが研究されているが,いずれも地中に設置する恒久的な対策であって期間が限定される建設工事に適用するには設置規模が大きくなることやコスト等の課題がある。そこで,TMDによる地盤振動制御工法の開発を着想した。TMDを用いることで建設作業で問題となりやすい4~10Hzの地盤振動を低減でき,設置規模も従来の対策工法に比べて小規模である。 平成25年度は「研究項目2:振動応答解析技術によるTMD制御効果の解明」を実施した。具体的には建設工事で振動問題を発生しやすい固い層の上に軟弱層がある地盤を3次元でモデル化し,平成24年度実施の「研究項目1:地盤環境振動の性状の解明」で明らかとなった,建設工事で比較的大きな振動を発生するバックホウ走行時の振動を模擬した正弦波で地表面を加振したときの地表面の応答を,TMD質量,TMD減衰,TMDの大きさ,および制御振動数に着目して解析しながらTMDの効果を検討した。結果から以下の事項が明らかとなった。 制御対象振動数に同調させたTMDを地盤上に設置することでTMDの共振によって振動低減効果を得られる領域が存在することを確認した。このときTMD質量は大きいほど,減衰は小さいほど制御効果大きい結果を得た。また制御対象振動数は高いほど効果が大きく,TMD質量:3450kg/m2,減衰0.05とした条件で,TMDから5m地点での低減効果は2dB(4.8Hz),8dB(8.4Hz)であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成26年度実施「研究項目3:地盤上にTMDを設置するための制御方式の解明」を実施するための,TMD装置の試作にあたり必要なパラメータを得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
目標とした研究成果を得るために,平成24年度,平成25年度の研究実績をベースとして平成26年度は試作モデルを使用した制御効果の検証を主体として下記により研究を推進する。 研究代表者:TMD装置の設計,試作,実験計画と実施,および結果考察 研究分担者:TMD装置設計パラメーターの整理,実験協力,および結果考察
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度使用額が生じた状況:解析用モデル作成外注費が安価であったため。 次年度研究費使用計画 TMD試作材料費(100万円),建設重機リース費(50万円),実験機器損料(30万円),データ整理等学生バイト代(23.7万円),学会旅費(10万円),打合せ交通費(10万円),合計223.7万円
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