2013 Fiscal Year Research-status Report
鉄骨部材がRC部材に直交して埋め込まれる接合部の応力伝達機構の解明
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24560675
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Research Institution | Maebashi Institute of Technology |
Principal Investigator |
北野 敦則 前橋工科大学, 工学部, 准教授 (80250471)
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Keywords | 合成構造 / 柱RC梁S構造 / 柱梁接合部 |
Research Abstract |
本年度も昨年度に引き続き鉄骨部材がRC部材に直交して埋め込まれるト形接合部の応力伝達機構の解明を目的とし実験的検討を行った。昨年度行った研究より,最大耐力について,鉄骨部材の埋込みが深い場合,既往の設計式で比較的良い対応を示しているが,埋込みが浅い場合は過大評価となったため,鉄骨の埋込みが浅い場合について実験的に検討を行った。 昨年度と同様に試験体は実大の約1/2の平面ト形試験体とし,3体製作し,RC部材に鉄骨部材が直交して埋め込まれる形状とした。一般にRC柱S梁接合部では,接合部の鉄骨に補強が施されることが多いが,鉄骨部材からRC部材への応力伝達機構を単純に評価するために,本研究では鉄骨部材に補強は施していない。試験体は全て接合部の破壊を想定し設計を行った。加力は鉄骨部材に正負漸増水平方向繰り返し強制変位を与えた。加力実験結果より以下の知見を得た。 鉄骨部材の埋込み長さの浅い試験体はいずれも最大耐力時に鉄骨(内部要素)とRC部(外部要素)の間に隙間が生じた。接合部のひび割れはその後の変形増大とともに増えたため,最大耐力は内部要素と外部要素との間のねじれ耐力により決まったと推察される。また,RC部材のせいに対する鉄骨部材の埋込み長さの比が大きくなる,あるいは,RC部材の幅に対する鉄骨部材の幅の比が小さくなると,最大荷重は増大する。鉄骨部材がRC部材に浅く埋め込まれた直交接合部の最大耐力は,のねじり耐力によって支配されるため,鉄骨部材がRC部材を貫通する直交接合部の支圧終局耐力式に基づいた評価法によって,実験値を精度よく評価できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
交付申請書の研究実施計画における「ト形接合部の補強法及び設計法の提案」については応力伝達についての一定の成果が得られ,設計法の提案も行ったが,まだ未解明な部分も多い。 また「L形接合部の応力伝達機構の解明を目的に実験的研究」については加力装置の問題などにより実施できなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画通り進めるよう努力するが,予想外の実験結果となり課題が増えたため,確実に設計法の提案が行えるよう,ト形接合部について重点的に実験を行っていきたい。また,FEM解析についてはある程度進めてきているので,精度よく実験結果を再現できるよう今後も解析を進めていく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
使用予定の加力装置の変更により,実験計画が大幅に遅れ,試験体製作数を減らした。 今年度行う予定であった試験体数体を次年度に行い,早期に実験を進め目標を達成できるよう努力する。
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