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2013 Fiscal Year Research-status Report

経済性を増進した鋼構造柱梁接合部の開発

Research Project

Project/Area Number 24560676
Research InstitutionHokkaido University

Principal Investigator

岡崎 太一郎  北海道大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (20414964)

Keywords鋼構造 / 接合部 / 構造実験
Research Abstract

本研究は、鋼構造にとって最重要命題である柱梁接合部を取り上げ、現行のものと比較して同等の耐震性能を保有しつつ、経済性を向上した柱梁接合部を開発することを目的とする。具体的には、切削や溶接といった施工手順を簡略化し、工作誤差に寛容な接合部形式を考案し、その耐震性能を検証する。国内外の鋼構造建築物の経済性と地震安全性に貢献する成果を目指す。また、数値解析によって鋼構造物の耐震性能を評価する科学的方法を進展することも目的とする。主な研究手法は、構造実験と数値解析である。これまでの二年間の研究実績は、(1)柱梁接合部の試験体を設計したこと、(2)構造実験の準備をほぼ完了したこと、(3)国内外の関連情報を収集し分析したこと、の三点である。
一点目については、経済的な鋼構造を推進する目的で、柱に(わが国で一般的に使用される角形鋼管でなく)H形鋼を使用した構造形式を追求することとした。柱にH形鋼を利用した柱梁接合部に関する実験例は、わが国では比較的少なく、特に現在の施工方法に則した実験例が限られている。二点目については、実験に必要な機器(計測器、データロガー、データ収録用のノートパソコン)を購入した。また実験用の加力冶具、計測冶具などを設計・製作し、実験室内の環境を整備した。三点目は、一点目から派生した成果であるが、日本と米国で、柱梁接合部の設計とその規定がどのように異なるかを明らかにし、その原因を分析した。
また、関連する鋼構造接合部に関する論文を執筆し、会議(世界地震工学会、韓国鋼構造協会主催の国際シンポジウム、国内の各種学会)に出席し、これまでに実施した鋼構造に関わる研究成果を発表するとともに、研究情報を収集した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

本研究の中心は、柱梁接合部に関する構造実験である。当初、二年目までにその構造実験を完了し、三年目は結果を分析する予定を立てた。北海道大学の実験室ではじめて実施する規模の実験であり、実験を実施するために必要な加力冶具や計測冶具が、当初考えたより多く、それらの設計に要する時間が多く必要であったために、現在までの達成度は、やや遅れている。しかし、本年度までにすべての機材を揃え、製作し終わったので、最終年度には、確実に予定した実験を遂行できる。また、準備期間が長かっただけ、想定される実験内容の分析も進んでいるので、所定の成果が得られる見込みである。

Strategy for Future Research Activity

三年度目は、柱梁接合部を含んだ鋼構造建物の部分架構を試験体とした、構造実験を実施する。合計で四体の試験体を実験する予定である。実験パラメータは、柱の寸法(柱パネルが降伏するか降伏しないか)と、梁が接合する位置(H型鋼柱のフランジ側かウェブ側か)とする。実験結果から、接合部の履歴性状、終局状態(破壊モード)、事前予測との整合、最大耐力を達成した後の耐力劣化性状などを精査する。
汎用解析ソフトを使用し、構造実験で観察した挙動に対する理解を深め、また実験で把握しきれないパラメータに検討範囲を広げるための精密な有限要素解析を実行する。数値解析が局所部位の降伏や座屈、接合部の強度や耐力劣化状況を模擬できるかどうかに注目する。さらに、海外共同研究と協同し、特に繰り返し塑性ひずみを原因とする破壊を予測し、破壊の進展を包含した数値解析を展開する。
構造実験と数値解析で得たデータを分析し、既往の研究とあわせて、柱にH形鋼を使用した柱梁接合部を実用構造設計に供するための設計方法を提案する。ここでは終局状態、塑性変形能力、強度などの基本情報を明示し、各要素の寸法を決定するための設計式を整備する。また、通常のように柱に角形鋼管を使用した形式と比較した長所・短所を整理する。
最後に、三年間にわたって実施した構造実験、数値解析、資料収集、設計方法の考案の成果をまとめる。報告書、論文、講演資料などの成果物を作成し、鋼構造建築の耐震安全性と経済性に貢献するための、さらなる研究につなげる。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

昨年度までに予定していた試験体制作が完了していないため。
完遂していなかった試験体制作、実験を行う。

  • Research Products

    (3 results)

All 2013

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 2 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] 超高層鋼構造建物の現場溶接接合部が有する耐震性能を検証するE-ディフェンス振動台実験2013

    • Author(s)
      岡崎太一郎、松宮智央、長江拓也、福山國夫、井上貴仁、中島正愛
    • Journal Title

      日本建築学会構造論文集

      Volume: 78 Pages: 569-578

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] 筋かい端部をピンとした筋かい付ラーメン架構の震動台実験2013

    • Author(s)
      岡崎太一郎、引野剛、デミトリウス・G・リグノス、梶原浩一
    • Journal Title

      鋼構造年次論文報告集

      Volume: 21 Pages: 367-374

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] 鋼ラーメン構造の耐震基準及び柱梁接合部設計規定の日米比較2013

    • Author(s)
      小松研介,岡崎太一郎,緑川光正,麻里哲広
    • Organizer
      日本建築学会学術講演梗概集(北海道),構造III,p.809-810
    • Place of Presentation
      北海道大学(札幌市)
    • Year and Date
      20130830-20130901

URL: 

Published: 2015-05-28  

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