2013 Fiscal Year Research-status Report
天井等の水平要素の落下防止機構を有する中規模空間構造の人的安全性と耐震社会の実現
Project/Area Number |
24560679
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
石川 浩一郎 福井大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (50168192)
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Keywords | 学校体育館 / 妻壁 / 屋根型EP単層ラチスシェル / トラスアーチ架構 / 等価静的地震力 / ベースシア耐力係数 / 保有耐力評価 / 静的及び動的弾塑性解析 |
Research Abstract |
対象とするアーチトラス架構及び単層ラチスシェル天井の解析モデル、部材特性等を許容応力度設計等に基づいて定め、その構造特性を設定している。 本単層ラチスシェルのせん断耐力に及ぼす積雪荷重を想定した付加鉛直荷重の影響を解明する。これにより、部材座屈が先行するための条件、すなわち全体座屈荷重に対する付加鉛直荷重の割合を定量的に示すとともに、その座屈検定法を提案した。 現実的な設計法としては、動的地震力を静的水平力及び鉛直力に置換した静的地震力に基づき部材を設計し、動的解析により目標値を満足することについて検証する方法が用いられている。 本研究では、アーチトラス架構に作用する等価静的地震力を刺激関数と加速度応答スペクトル値により推定できることを明らかにするとともに、静的及び動的弾塑性解析によりその妥当性を検証した。 アーチトラス架構に取り付く水平要素に作用する等価静的地震力もアーチトラス架構と同様な手法で推定できることを明らかにした。また、天井を有するアーチトラス架構の弾塑性地震応答解析を行い、動的崩壊性状を解明する。また、等価静的地震力を作用させて本構造の静的弾塑性解析を行い、部材座屈の発生位置等の崩壊性状に関して動的解析と比較・検討して両者の適合度を確認した。 妻壁の剛性・耐力に起因する鉛直応答を含む静的地震力と単層ラチスシェルの危険部材位置の特定に基づく保有水平耐力の算定法を提案した。さらに、多雪地域に建つ曲面屋根構造すなわち単層ラチスシェルを有する大スパン建築構造特有の屋根鉛直応答と屋根積雪荷重を考慮した耐震性能について評価した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
屋根面の地震応答に及ぼす鉛直ブレース等の鉛直構造要素における剛性や耐力、履歴吸収エネルギー能力等の解明や保有耐力評価法の提案まで進展している。計画書に記載したダンパー性能に基づく応答低減については研究を一層進める必要があると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
現在まで屋根面や天井の水平構造要素、鉛直構造要素の耐震性能評価の解明をほぼ終了しているので、今後は水平構造要素の応答低減に及ぼす制振ダンパーの効果や必要性能等について推進して本研究課題を達成したいと考えている。
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