2014 Fiscal Year Annual Research Report
浮屋根と液体の非線形性を考慮した大型液体貯槽の地震時スロッシング理論の実用化
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24560702
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Research Institution | Nagoya Industrial Science Research Institute |
Principal Investigator |
松井 徹哉 公益財団法人名古屋産業科学研究所, その他部局等, 研究員 (70023083)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | シングルデッキ型浮屋根 / 非線形スロッシング / 構造-流体連成作用 / 長周期地震動 / 非線形振動 / ポンツーン座屈 / 耐震補強 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,平成20年度~23年度科学研究費(課題番号20360256)による「浮屋根と液体の非線形性を考慮した大型液体貯槽の地震時スロッシング理論の体系化」の研究を継続・発展させたものであり,その成果は以下のように要約される。 (1)平成23年度までの研究で開発した浮屋根と液体の非線形性を考慮した円筒液体貯槽のスロッシング解析プログラム(以下,非線形スロッシング解析プログラムという)では,薄肉箱型断面で構成されるシングルデッキ型浮屋根のポンツーン(浮き室)を,伸び剛性および曲げ剛性の等価な均質シェル要素でモデル化していた。本研究では,ポンツーン上・下板を偏心シェル要素で,内・外リム板や補強部材を偏心はり要素でモデル化することにより,実物のポンツーンや補強部材の断面特性をより忠実にモデル化できるようにプログラムを改良し,実用化を図った。 (2)改良した非線形スロッシング解析プログラムを利用して,2003年十勝沖地震でスロッシングにより損傷・沈没したシングルデッキ型浮屋根を有する円筒石油貯槽の地震応答解析を行い,被害原因の究明を試みた。その結果,液面の有限振幅変位や浮屋根デッキ部の大変形に伴う円周方向0次,2次および3次の非線形振動モードの存在が,ポンツーン上・下板に鋼材の座屈強度を超える過大応力を発生させ,浮屋根の損傷・沈没を招いた可能性を指摘するとともに,これら非線形振動モードのいくつかを見過ごしている改正消防法告示の浮屋根強度算定式はポンツーン応力を過小評価しており,再検討が必要であることを示唆した。 (3)シングルデッキ型浮屋根の耐震強度を高める補強法として,内部デッキ板をリブ補強することにより非線形振動モードの発生を抑制する方法を提案し,補強の効果を改良した非線形スロッシング解析プログラムを用いて検証した。
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Research Products
(2 results)