2013 Fiscal Year Research-status Report
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24560709
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
郡 公子 宇都宮大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (20153504)
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Keywords | ガラス建築 / ダブルスキンファサード / エアフローウィンドウ / 熱貫流率 / 日射熱取得率 / 蓄熱負荷 |
Research Abstract |
(1)高性能ガラスファサードの設計用熱特性値の整備:ダブルスキン・エアフローウィンドウについて、通気量に応じた熱貫流率、日射熱取得率を算定するために必要な熱特性値の整理を行い、熱負荷シミュレーションツールで利用可能なxml形式のデータベースを作成した。多様なガラス種類について整備し、従来熱性能の推定ができなかった内側複層ガラスのダブルスキン、外側複層ガラスのエアフローウィンドウの性能も推定できるようになった。 (2)ダブルスキンファサードの夏期設計用熱性能の特性解析:自然換気を行うダブルスキンファサードの設計に利用できる代表性能値整備を目指す検討を行った。夏期設計用気象条件における通気効果率、熱貫流率、日射熱取得率が換気口面積、ガラス種、吹き抜け層数などの設計要因や都市によってどのように変化するかを感度解析した。吹き抜け層数による平均性能の変化は少なく、換気口面積もある程度大きくすると面積による性能変化が小さいことが判明した。 (3)ダブルスキンファサード熱性能の季節変動特性の解析:ダブルスキンファサードを有するオフィスビルを想定して標準年気象データを利用する年間負荷計算を行い、ダブルスキン化の効果や自然換気効果をダブルスキン熱性能値とペリメータ負荷を評価指標として、季節変化を解析した。内側複層ガラスのダブルスキンの熱性能は高く、ペリメータ熱負荷の方位差が小さくなることがわかった。 (4)空調設計用蓄熱負荷の実用計算法の改良と精度検証:開発した空調設計用蓄熱負荷の実用計算法の細部を改良し、計算法の精度を10年間の能力不足率で評価する方法を考案した。精度検証を行い、妥当な精度で設計用蓄熱負荷を算定可能であることを確認した。これにより、ガラス建築で問題となりやすかった夏期冷房不足を引き起こさない装置設計が可能となる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
高性能ガラスファサードの熱性能推定に利用する熱特性データベースを作成し、種々のガラスについて性能推定できるようにした。 ダブルスキンファサードを中心に、設計条件での性能や性能の季節変動を定量評価した。 蓄熱負荷の実用推定法の精度確認をした。ガラス建築で特に問題となる冷房能力不足を抑制する設計に利用可能となった。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)ダブルスキン建築の省エネ効果解析:数値解析をさらに進め、ダブルスキン建築の熱負荷低減効果とその特徴を明確化し、地域性を考慮する設計法と自然換気法を明らかにする。 (2)AFWの省エネ効果解析:本研究により窓排気の一部を回収する場合の熱性能を評価可能になったので、AFWの省エネ効果への窓排気回収の影響を定量評価する。 (3)居室への自然通風制御のシミュレーション法の検討:ファサードから導入する自然通風の省エネ効果を比較的簡単に推定でき、またハイブリッド空調の省エネ性や快適性の評価も可能なシミュレーション法を検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
最新機種のプリンターを購入するため。また次年度の旅費支出が当初より増える見込みのため。 プリンター複合機約30万円、旅費20万円
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Research Products
(11 results)