2013 Fiscal Year Research-status Report
省電力オフィス照明を実現する昼光・人工光併用照明の設計・評価法の確立
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24560710
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
中村 芳樹 東京工業大学, 総合理工学研究科(研究院), 准教授 (30189071)
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Keywords | 省エネルギー照明 / 昼光利用 / 光の不足感 |
Research Abstract |
これまでの研究成果より、輝度分布が正確に把握されていれば,自然昼光であれ疑似昼光であれ同じ結果となることが示されたため、本年度は、実際のオフィスに近く、北側に窓が設置された実際に使われている部屋を改装し、窓が開閉でき、さらに天井照明、壁照明を自由に調光できるような実験室を作成して、窓を閉めた状態で、輝度画像を分析するツールについての確認と、そのデータを補強するための追加実験を行った。 比較的確認が容易な視作業性(モニター作業、紙面作業)について追加実験を行い、ウェーブレット変換を用いてコントラスト画像と近似画像に分解する方法を適用したところ、実験結果をリーズナブルに表現できるが、分解する際の分解レベルの設定によって値や解釈方法が変化し、この分解レベルを客観的、明示的に決めにくいことが判明した。そこで、コントラスト・プロファイル法という申請者が以前に開発した方法に戻り、様々な空間周波数について輝度コントラスト値を算出して検討してみたところ、分析する空間周波数をあらかじめ設定することで、この輝度コントラスト値を用いて表現できることが明らかになった。 次に空間全体、すなわちアンビエント環境として光の不足を感じるかどうかについて、縮尺模型をつくり内部の輝度分布を自由に操作する実験を追加し、さらに新たに作成した実験室でも、有機ELパネルなど、その他の実験条件も付加し実験を進め、被験者実験を行った。その結果、視認性の場合と同様に、ウェーブレット分解では分解レベルを客観的に設定することかできず、一方輝度コントラスト値を用いればこの問題が回避できることが明らかになった。なお、本年度は分析方法について検討を進めたため、安定した輝度分布の下で確認する必要があり、そのため当初の予定であった北側からの自然昼光については実験変数に加えていない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は、北側の実際の昼光を利用した効果は確認できていない。しかしながら、もっとも重要な分析方法について、ウェーブレット変換を用いてコントラスト画像と近似画像に分解する方法には分解レベルの客観的設定という点で限界があることを明らかにし、これを回避するため、あらかじめ定めた空間周波数ごとに輝度コントラスト値を求めるという方法を採用することで、タスク照明(視認性)についても、アンビエント照明についても、光環境の適否をほぼ確実に決定できることを明らかにした。次の段階としては、設計に利用できる具体的な値をこれまでの実験結果を抑えて提示し、さらに補強のため、北側採光の自然光についても実験を行えばよく、当初の目標はほぼ達成できていると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
これまで収集された輝度画像と被験者実験のデータ全体をコントラスト・プロファイル法を使って分析し、光環境を評価するための具体的な周波数、周波数ごとに問題となるコントラスト値、を明らかにする。また必要であれば、これに周波数ごとの平均対数輝度値も加える。そしてこれらのデータを補強するという位置づけで、北側採光の実験データも収集し、最終的に輝度画像を使った昼光照明設計方法の確立を目指す。
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Research Products
(1 results)