2013 Fiscal Year Research-status Report
居住者行動の確率変動を考慮したユーティリティデマンド予測モデル構築とシナリオ分析
Project/Area Number |
24560716
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
萩島 理 九州大学, 総合理工学研究科(研究院), 准教授 (60294980)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷本 潤 九州大学, 総合理工学研究科(研究院), 教授 (60227238)
池谷 直樹 九州大学, 総合理工学研究科(研究院), 助教 (70628213)
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Keywords | 空調負荷 / 省エネルギー / エネルギー需要予測 / 居住者行動 |
Research Abstract |
TUD-PS は、日々変化する居住者の生活行動スケジュールに応じた内部発熱および、在室スケジュールと屋外気象条件に影響される空調のon/off操作を考慮したエネルギをはじめとするデマンド予測モデルである. 昨年度までに、TUD-PSの核となる空調使用スケジュールの確率的変動に関するサブモデルの精度検証と改良が概ね完了したことから、本年度には空調の設定温度の変更、カーテン開閉による省エネ行動がエネルギー需要に及ぼす影響を定量的に把握する事を目的とした多数回の数値実験を行った.この際には、計算条件として、断熱使用、住戸方位、階数(中間階か最上階か)、世帯構成の異なるケースを設定し、年間の冷暖房負荷、最大負荷(超過危険率2.5%の値)、空調使用時間に対する省エネ行動の影響についての考察を行った. その結果、設定温度変更の影響は冷房,暖房ともに年間負荷の変化率が最も大きく,次いで運転時間,負荷平均値,TAC2.5の順となった.この原因は、空調されていない無人の部屋に入室した直後の空調立ち上がりにおいて躯体蓄熱が年間のピーク負荷に与える影響が大きいためであろう.この傾向は冷房において特に顕著であり,空調設定温度調整によるピークデマンド削減効果は,年間積算負荷削減効果に比べかなり小さくなる,と言える.また、集合住宅の中間階の住戸では、無断熱の条件では、標準断熱条件で暖房設定温度を1~2度高くしたのと同様の負荷の増加が確認された
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画していた代表的な居住者の省エネ行動の効果に関して、空調設定温度の操作およびカーテンによる日射コントロールの影響をtud-psによる定量化を行う事が出来た.
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、TUD-PSのソースコードの汎用化の作業を行う。 具体的には、気象条件、住戸条件、使用する電化製品の消費電力など種々の設定を、現在以上に簡便に設定できるようにし、他の研究グループでも広く容易に利用できるような形にリバイズを続ける. 加えて、多数住戸によるモンテカルロシミュレーションを実施した際の膨大なデータのハンドリング等についても、標準的なモジュールを準備することで、種々のon siteのエネルギー供給システムなどの性能評価などにおける使用に耐えるような改良を行う. 最後に、省エネ、低炭素の観点からの人口規模に応じた適切なコンパクトシティのあり方についてのシナリオ検討を行う.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初計画していた旅費が、学内の女性教員向け海外渡航助成を受けることが可能となったために、不要となった. 次年度は、研究を計画以上に充実したものとするため、25年度に支出しなかった資金は、データ解析に必要な謝金および実験に必要な消耗品の購入に充てる予定である.
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Research Products
(3 results)