2014 Fiscal Year Annual Research Report
スリット状建物開口部のための機械学習型アクティブ騒音制御手法
Project/Area Number |
24560719
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
穴井 謙 九州工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (10325467)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | アクティブ騒音制御 / 建物開口部 / 機械学習 / 制御位置 / スリット開口 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,与えられた年限(3年間)で次の3つの課題に取り組んでいる。(1) スリット開口部のための機械学習型ANC手法の考案,(2) スリット状のANC開口ユニットの設計,(3) ANC開口ユニットの試作および実証実験,である。 3年度目の平成26年度は,主として課題(3) に取り組み,研究代表者の所属機関が有する音響実験室内に設けた実物大のスリット開口部に対し,ANCの適用実験を行った。まず,昨年度に把握したスリット開口周辺における音圧分布を踏まえて,複数の2次音源を組み込んだスリット開口用の遮音フードを設計・製作した。次に,そのフードによって得られるパッシブな遮音効果を計測し,フードのパッシブ効果は630 Hz以上の周波数帯で顕著に現れ,3-4 dBの遮音性能の向上が得られることを把握した。そして,ANCの適用効果について,制御位置を1点とする場合と2点とする場合を実験的に比較検討し,100-160 Hzのように波長が長い周波数域では制御位置(および数)に関わらず一定の効果が得られること,200-500 Hzでは音圧の大きな位置で制御することで制御効果を大きくすることができ,またANCの逆効果を抑制するためには2点を同時に制御しなければならないことを明らかした。 したがって,スリット状の建物開口部に対して広い空間で遮音性能を向上させるためには,音圧が大きくなる2点の位置でアクティブ制御する手法としなければならないこと,そして,その手法の適用効果は,フードのパッシブ効果と合わせて10 dB程度が見込まれることを明らかにした。 また,前年度に引き続き課題(1)に取り組み,従来の制御アルゴリズムに対するニューラルネットワークの優位性を数値シミュレーションにより検討した。その結果,アクティブ制御対象の100-800 Hzの全般において,精緻な制御信号の生成が可能であることを明らかにした。
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