2013 Fiscal Year Research-status Report
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24560727
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Research Institution | Nagano National College of Technology |
Principal Investigator |
西川 嘉雄 長野工業高等専門学校, 環境都市工学科, 准教授 (20513807)
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Keywords | 話声 / 聴き取りやすさ / 実時間分析 / 主観評価 |
Research Abstract |
実音場における話声の聴き取りやすさを評価・表示するシステムを開発することを目的に、本年度は以下の研究を行った。 システムの評価を行うため、実際に講義を行っている教室にマイクロホンを設置し、発声レベル・音声レベル・ノイズレベルを計測しながら主観評価実験とアンケートとSTI算出を行った。実験の被験者は本科1年生(16歳)と本科5年生(20歳)である。主観評価実験の方法は昨年度検討を行い成果のあった「判断基準統一のため練習音源にSTI0.45以下のインパル応答を入れる」「試験は4回座席を移動しながら実施」「試験音のラウドネスが一定になるよう調整」を適用し実施した。実験の結果、本科1年生の了解度試験の結果が専攻科生と比較して悪い結果となった。聴き取れなかった単語を確認すると、5年生が間違えていない単語を1年生が間違えており、低学年の学生には親密度の低い単語であったことが示唆された。また、被験者から聴き取りにくさの評価で単語のラウドネスに差があることが指摘された。 主観評価実験単語の親密度とラウドネスの確認を行う実験を実施した。ヘッドホンで単語を再生し親密度とラウドネスを同時に評価した。親密度については20歳前後の被験者では問題がないが、16歳前後の若年層にこのリストを適用するときは注意が必要であることが確認できた。昨年検討した単音節のラウドネス補正では、補正が不十分な単語があったため、時間依存ラウドネスによる補正が有効であることが確認できた。 主観評価性能とSTIの対応では、建築学会が提案するクラスと比較すると、同じSTIの数値で主観評価の性能は良く出る傾向があった。このことはSTIの目標値で設計することで実際の空間は安全側で聴き取りやすさの性能が確保できることを示している。 次年度はこの関係をさらに検討し、話声の聴き取りやすさ評価・表示システムの評価基準を作成する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「I音響と映像の連携」はチャンネル数の増加も行っており、おおむね順調に進展している。 「II表示システムの構築」はチャンネル数増加に対応しており、コンターマップ表示は今後改善が必要であるがおおむね順調に進展している。 「III主観評価実験とアンケート調査」は主観評価実験とリアルタイムSTIの関係の検討や試験単語の検討を十分行うことができた。空席時のSTIとリアルタイムSTIの関係は今後の検討課題となったがおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の研究計画の大幅な変更は行わない。来年度は最終年度であるため、本課題の担当する学生を増やし対応する予定である。 本年度は授業の主観評価実験とリアルタイムSTIの対応とシステムの小型化・軽量化の検討を実施する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
支払いが年度を超えたものもある。システムの小型化・軽量化と多数の被験者を必要とする主観評価実験を次年度に実施するため費用を残した。 軽量化のシステム物品購入が6月ごろ、主観評価実験は11月まで実施する予定である。
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Research Products
(2 results)