2013 Fiscal Year Research-status Report
タイ住宅公団による規格分譲住宅の居住環境に関する研究
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24560731
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
田中 麻里 群馬大学, 教育学部, 准教授 (10302449)
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Keywords | 国際情報交換 / 住宅計画 |
Research Abstract |
本研究は、タイNational Housing Authorityによる規格分譲住宅事業について、住宅地計画、住戸計画、居住地管理の視点から現状を明らかにし、住環境改善の指針を得ることを目的としている。 初年度は統計データを入手し事業全体の把握を行った。さらに初期の事業で大規模団地の一つであるバーンチャロン団地において実地調査を行った。さらにバンコクと地方都市においていくつかの団地でヒアリングを行った。 今年度は、昨年の実地調査を行ったバーンチャロン団地において共用空間の利用に関する追加調査を行い、データ分析を行った。さらに、バンコク近郊でとくにコミュニティ活動が盛んで居住地管理を住民主体で行っている2団地においてヒアリングを行った。 地方都市においても継続して居住地管理の状況についてヒアリングを行い実態把握につとめた。さらに規格分譲住宅事業における居住地管理運営状況を相対化するため、同じような所得階層を対象とした別事業による住宅地において、住宅地計画、住戸計画、居住地管理、居住者による住戸改変やコミュニティマネージメントに関する実地調査を行った。 今年度後半にコミュニティ活動が活発な団地において、管理運営が円滑に行われている要因について詳しく分析するため、コミュニティ参加型の調査を行う計画であったが、海外調査前に深刻化した政治的混乱による道路封鎖により調査計画の変更を余儀なくされた。そのため団地でのコミュニティ調査は次年度に取り組むこととなった。一方で、全体研究計画のなかで予定していた研究機関を視察し、住宅に関わる材料開発や研究動向について把握することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
調査対象としているタイ王国では今年度秋以降の政治的混乱および道路封鎖等が生じたため、現地協力機関の助言を考慮して調査計画を変更した。十分な現地情報の収集により、調査地の変更、宿泊地の変更、行動範囲の限定などに対応することができたが、当初の調査予定団地での調査研究を進展させることができなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
地方都市での調査についてはほぼ十分なデータが得られたため、今年度計画していて実施できなかったバンコクにおける団地での調査を行う。団地コミュニティの参加型調査を行い、実際に得られた成果をもとに住環境改善の指針を得る予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今年度秋以降の調査対象地のタイ王国では政治的混乱が生じたため、当初調査計画を変更、縮小して実施したため。 今年度も継続して実地調査を行うため海外旅費が多くをしめる。さらに、今年度実施できなかった団地におけるコミュニティ参加型調査を実施するため通訳、学生補助、協力者の謝金が多くなる予定である。
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