2013 Fiscal Year Research-status Report
住みこなしに着目した災害応急仮設住宅の居住環境支援
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24560741
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
岩佐 明彦 新潟大学, 自然科学系, 准教授 (90323956)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新井 信幸 東北工業大学, 工学部, 准教授 (20552409)
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Keywords | 災害応急仮設住宅 / 東日本大震災 / 仮設居住の常態化 / 住みこなし |
Research Abstract |
東日本大震災の仮設住宅は想定されていた2年の居住期間をすでに経過しているものの,現在も5万戸以上の仮設住宅で居住が続いている. 本研究では,福島県飯舘村からの避難者が居住する伊達東仮設住宅に焦点をしぼり,長期化する仮設居住における課題の抽出を行った.指摘される大きな課題は「仮設居住の常態化」である.居住者の住みこなしや周辺環境の積極的な利用により,安定した居住環境が構築されている一方で,その環境が固定化することが,次に想定される復興住宅などへ転居する際に緩やかな環境を実現する上で障壁となることが懸念される. 本研究では,「仮設居住の常態化」を特に居住環境において構築が行われている領域(住居・周辺地域)と対象(被災前・被災後)の2観点から分類を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
長期化する仮設居住の課題抽出に関しては,「仮設居住の常態化」を指摘し,その分類を行うことができた.また,空き仮設住宅の利活用に関しては,伊達東仮設住宅の空き室で行われている植物栽培をケーススタディにその実施のための制度や運営上の課題を整理した. 空き仮設の利用が想定よりも進んでおらず,その事例収集が予定よりも少し遅れている以外は,ほぼ計画通りに調査は進行している.
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Strategy for Future Research Activity |
研究の最終年度としてここまでの研究をまとめると共に,適宜追加調査を行うことで,仮設居住のより詳細な実態と,そこでの住みこなしノウハウの共有による居住環境支援を進めたい.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今年度に仮設住宅の空き室利用について事例収集を行う予定であったが,仮設住宅における空き室の利用が想定よりも進んでおらず,収集できる事例数が予定より少なかった.そのため一部調査が次年度に繰り越しになり,調査にかかる旅費に余剰が出た.ただし,仮設住戸の空き室利用はその後増加しており,次年度早々に事例の収集を行う予定である.また,繰り越しによる研究計画の遅れは軽微であり,全体の研究計画には問題はない. 次年度早々に空き室事例の調査を行う予定.
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Research Products
(8 results)