2013 Fiscal Year Research-status Report
コンパクトな都市構造に向けた地域拠点の目標像と集約化の方策
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24560742
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
野嶋 慎二 福井大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (70303360)
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Keywords | コンパクトシティ / 地方都市 / 都市構造 / 地域拠点 |
Research Abstract |
本研究は、コンパクトな都市構造を構築するために、全国地方都市の実態調査から地域拠点の目標像と様々な機能を集約化させる方策を明らかにするものである。 (1)地域拠点の位置づけ方針の現状とデータベースの作成:研究対象都市全165都市の都市マス及び関連資料(総合計画、国土利用計画等)のレビュー、電話による担当課へのヒアリングによる調査により、下記の項目の調査・まとめ・分析を行った。①都市の特性②地域拠点の特性及び位置づけ方針(拠点の種類、数、中心施設の概要、拠点設定の根拠、拠点の範囲、受け持つエリア)③地域拠点の立地特性④拠点形成のために行っている具体的施策やマスタープランで掲げられた将来都市構造への取組み。全国の自治体の地域拠点の位置づけ方を明らかにしたことで、自治体が目指している日本型コンパクトシティの像を明らかにすることができる。 (2)地域拠点の実態及び特性のデータベース作成:全165都市における自治体ヒアリング、さらに電子地図データを用いて地域拠点の半径500m以内の都市機能(業務、店舗、公共施設など)の分布状況を調査し、地域拠点ごとにその実態と特性のデータベース作成、及び地域拠点の機能の集積性と多機能性を分析した。これより目指すべき地域拠点の像に対してその実態を明らかにし、日本型コンパクトシティの課題を明らかにすることができる。 (3)地域拠点への集約化の方策の現状と効果:公共施設の集約化に着目し、35都市の公共施設白書を調査し、過去10年間で公共施設が移動した可能性のある施設を54事例(20都市)抽出し、自治体ヒアリング等で集約化の方策を調査した。 (4)海外の先進事例の調査:英国の中でも古くからグリーンベルト政策を行いコンパクトシティに取り組んでいるオックスフォード市を対象とし、都市の周縁部・田園部について、その考え方、生活、開発及びそれから守る方法等の状況を調査した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究の柱である地域拠点の位置づけ方針のデータベース作成に予想以上に時間がかかった。その結果、研究全体進行が遅れている。その理由は、165都市と当初の予定よりも多くの都市が対象になったことが要因である。 さらに、現地踏査の対象地区が関東などで、福井から遠方であるため、時間がかかった。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)地域拠点の位置づけ方針の現状とデータベースの作成:昨年度までのデータベースを分析し、「地方都市における地域拠点の位置づけ方針と都市構造」と題して論文としてまとめる。 (2)地域拠点の実態及び特性のデータベース作成:昨年度まで調査した地域拠点の都市機能の集積状況に加え、26年度は交通システムの実態調査を行い、データベースを完成させる。特徴的な都市の実態調査を行い、「地方都市における地域拠点の実態に関する研究」と題して論文としてまとめる。 (3)地域拠点への集約化の方策の現状と効果を明らかにする:165都市の自治体担当者に電話ヒアリングを重ねて行く過程で、地域拠点への都市機能の集約化の方策を実行している先進事例は少ないことが明らかになっている。したがって、データベースの作成及び先進都市の事例分析については、25年度に行った公共施設の集約化の実態についての研究で代用することも視野に入れて研究を進めて行く。 (4)海外の先進事例の調査:現地視察の他、なるべく文献調査及び担当者へのメール等で調査を行い、効率化を上げていく。 (5)まとめ:以上の研究をまとめる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度は、全国自治体165都市への電話ヒアリング調査の時間がかったため、日本の先進事例調査、さらに海外への先進事例都市調査のための旅費を使用しなかった。 平成26年度は、先進都市における事例調査・分析を行うため、日本の先進諸都市、及びオックスフォードを始め、西欧の先進諸都市の調査を行うため、主に旅費として使用する。
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Research Products
(1 results)