2014 Fiscal Year Research-status Report
コンパクトな都市構造に向けた地域拠点の目標像と集約化の方策
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24560742
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
野嶋 慎二 福井大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (70303360)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | コンパクトシティ / 地方都市 / 都市構造 / 地域拠点 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、コンパクトな都市構造を構築するために、全国地方都市の実態調査から地域拠点の目標像と様々な機能を集約化させる方策を明らかにするものである。平成26年度は、主に地域拠点の実態と集約化方策に関するデータベースの作成を進めた。 1.平成25年度までのデータベースを分析し、「地域拠点の役割と位置づけ方針に着目した都市構造のあり方に関する研究―都市計画マスタープランを策定している全国中規模都市を対象としてー」と題して、論文としてまとめた。 2.地域拠点の実態データベース作成:昨年度までに明らかにした全国の中規模都市が位置付けている地域拠点1261拠点において拠点の実態に関するデータベースを作成した。調査項目は、(1)鉄道・幹線道路の敷設状況、(3)主要駅の運航頻度、(3)商業機能の種類と数、(4)公共公益機能の種類と数である。これらを集積状況のタイプに分けて整理し、地域拠点の機能の多様性と集積性を分析した。また、昨年度までに得た地域拠点の立地状況と合わせ、拠点の立地状況による集積状況の特徴を分析した。 3.地域拠点における集約化方策:『公共施設白書』を発行している都市について、公共施設の集約方針に関するデータベースを作成した。さらに、公共施設の中でも市役所に着目し、最近10ケ年に拠点への集約を行った25事例について、電話による担当課への電話ヒアリング調査により集約化に至る背景と目的および集約のプロセスについて明らかにした。 4.海外先進事例の調査:平成26年度は、コンパクトシティの先進都市である英国オックスフォード市に5日間滞在し調査を行った。オックスフォード市の行政担当者へコンパクトシティ政策の日英の違いについて、日本の地域拠点政策および都市の現状について説明しながらヒアリング調査を行った。また、主役政策が行われている現地の状況を踏査により確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
地域拠点への集約化の方法データベースに関しては、土地利用コントロール・補助金・制度の運用・まちづくり等の自治体担当者へのヒアリングが完了していないこと、海外の先進事例調査に関しては、英国の事例のデータベースが不完全なために日本との詳細な比較検討にまで至っていないことから、達成度はやや遅れている。 当初よりも研究対象都市が増加したこと、現地踏査が遠方であったため、本研究の柱である、地域拠点の位置づけ方針のデータベース作成と地域拠点の実態データベース作成に予想以上に時間がかかった。その結果、研究全体進行が遅れたものである。
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Strategy for Future Research Activity |
1.地域拠点の実態データベースをもとに、地域拠点の機能の多様性と集積性を明らかにし、研究論文としてまとめる。 2.地域拠点への集約化の方策の現状と効果を明らかにする:地域拠点における、土地利用コントロール・補助金・制度の運用・まちづくり等の集約化方策について、自治体担当者へのヒアリング及び各種行政計画図書の調査によりデータベース化する。また、効果の実態をヒアリング調査し本年度得た地域拠点の実態と比較することにより、集約化政策の有効性を検証する。 3.海外の先進事例の調査:コンパクトシティの先進事例である英国オックスフォード市の都市構造及びセンターに関する統計データを収集し、これを本年度明らかにした日本の地域拠点の実態と比較検討することにより地域拠点の目標像に対する知見を得る。 4.以上を踏まえ、まとめとして都市特性に応じた地域拠点の集約化の方法を提案する。
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Causes of Carryover |
地域拠点への集約化の方法データベース作成、及び先進都市の調査が遅れたため、物品、旅費、謝金、印刷等、全体的に予算の使用が遅れたためである。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度は、先進都市を事例調査・分析を行うための旅費と、研究のまとめのための謝金、印刷費等に使用する。
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Research Products
(4 results)