2014 Fiscal Year Research-status Report
「新しい公共」における農村型社会的企業の意義と役割
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24560747
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
佐藤 亮子 愛媛大学, 地域創成研究センター, 准教授 (50554341)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西山 未真 千葉大学, 園芸学研究科, 准教授 (70323392)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 農村型社会的企業 / 消費者とのつながり / 農村的価値の普及 |
Outline of Annual Research Achievements |
26年度は、「農村型社会的企業」に対応する事業体に対し、以下のようにヒアリング調査を実施した。 道の駅四万十とうわを運営する株式会社四万十ドラマ(高知県四万十町)は、当該年度に新たな事業として「おちゃくりカフェ」をオープンした。お茶と栗を中心とした、四万十川を見渡しながら飲食ができるスペースである。それと関連し、同社では新たに栗の木の植林を行い、その管理のための事業体も立ち上げている。また、新聞バッグプロジェクトも全国展開しており、ノウハウ移転によって環境に負荷をかけない暮らしという価値の普及を拡大している。北海道新得町の共働学舎は、牛を飼い、その乳でつくっているチーズが世界的にも評価を受けているNPO法人である。いまの社会で生きずらい人たちの雇用の場としても注目されるが、土地に根ざしたチーズを育て、守っていくためにフランスの技師を招いて講習会を行ったり、「地理的表示保護制度」づくりに奔走するなど、チーズにとどまらない農産物の価値を広める活動を行っている。京都府宮津市の株式会社飯尾醸造では、業者相手の経営から、個人客向けの展開に舵を切り、消費者とのつながりを強化している。同社では山奥の棚田で無農薬栽培した米を昭和30年代から使い続けているが、米農家の高齢化と後継者難を、農業資機材の提供、特に条件のよくない水田の借り受け、自社の社員が農作業をするなどしてサポートしてきた。近年は加えて、顧客に呼びかけ、棚田の田植えや稲刈りを経験してもらいつつ、農業の背景や重要性への理解を広めている。また、東京都日野市で高齢者体験農園を営む石坂ファームは、現在NPO法人化を検討中である。 以上の事例調査に加え、協同組合を始めとする韓国の社会的企業についての研究も行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
昨年、一昨年と、体調を崩し、病院通いが続いたりしたため、全体に進行が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
期間延長を認めていただいているので、今年度が最終年度となる。 今年度は、昨年調査した事例をもとにモデルの分析を行なうとともに、1~2の事業者の顧客に対し、農村の価値の共有に関するアンケート(ヒアリング)を実施する。 また、数カ所の事業者および消費者をまじえ、「農村型社会的企業」に関するディスカッションを企画したいと考えている。
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Causes of Carryover |
一昨年から体調を崩し、年度前半の調査研究活動を進めることができなかった。後期に挽回しようとしたが、予定の内容をこなすことがむずかしかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
事例の中から1カ所選び、アンケート(ヒアリング)調査をする予定なので、その費用にほぼ、使用することになると考えている。また、余裕があれば、謝金として使いたい。
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Research Products
(12 results)