2012 Fiscal Year Research-status Report
歴史的町並みにおける大規模火災時のための避難経路整備の検証提案に関する研究
Project/Area Number |
24560749
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
三島 伸雄 佐賀大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (60281200)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田口 陽子 佐賀大学, 工学(系)研究科(研究院), 講師 (10435448)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 歴史的町並みまちづくり / 防災 / 避難経路 / 歩行シミュレーション |
Research Abstract |
佐賀県鹿島市肥前浜宿に位置し、狭隘道路に茅葺き町家が連なる在郷町である「浜庄津町浜金屋町重要伝統的建造物群保存地区」を対象地として、避難経路の補足調査と住民ワークショップを実施し、避難経路提案スキームの構築を行った。また、その妥当性を検証するために、避難経路の現状について、避難時間分析を行った。その結果、歴史的町並みにおける避難経路を提案するために必要な条件を整理することができ、避難目標の設定、避難対策の方向性、避難経路の提案フローなどの提案スキームを構築することができた。 住民ワークショップは、事前打合せと避難訓練を実施した。それによって、避難場所の設定を行い、そこに向かって避難することの妥当性を検証した。また、避難経路に関する空間調査を実施して、すでに調査を行っている一次的に身の安全を確保する場所などの妥当性を検証した。 避難経路の現状分析については、マルチエージェントシステムである歩行者移動シミュレーションソフトSimTreadを用いて避難時間を計測し、その妥当性の検証を行った。その結果、現状の避難経路では、健常者では避難完了に問題はほとんどないが、自立歩行困難な災害弱者においては避難完了に目標時間を大幅に超えるものが多いこと、特に住民が一時的に身の安全を図るために避難することを考えている対象地中心部にある空き地が低湿地で荒れ地であるため歩行に時間がかかること、などの問題点が浮き彫りになってきた。 この結果は、提案スキームによってまずは現状の問題点を把握できることを示すことができたことに意義があり、提案に結びつけるための重要な基礎的知見を得ることができたということができる。 これらの研究成果については、国際会議ISAIA2012ならびに国際会議ISHEDで発表し、JSHEDの国際ジャーナルにも発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本年度の目的通り、ワークショップを実施して避難経路の提案スキームについてを構築することができ、それを用いて対象地の現状分析を行うことができた。また、それらの成果を国際会議に報告して優秀発表賞も得ることができ、国際ジャーナルのSelected paperに選ばれた。当初の計画ではワークショップを実施して提案スキームを構築するところまでであったので、現状分析を行って対象地の問題点を把握し、提案スキームの妥当性の一部を検証したこと、また国際ジャーナル誌に掲載されるまで至ったのは、当初の計画以上の進展である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度では、平成24年度の研究で浮かび上がってきた対象地の問題点を踏まえて、避難経路の対策について検討を行う。そして、それを現状と同様にシミュレーションすることによって、対策の妥当性について検証する。さらに、平成26年度では、地元住民との話し合いを実施し、対策の実現可能性や実施の計画について検討を行っていく。また、それらの成果を国際会議や審査付き論文に提出する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
避難シミュレーションに必要なソフトは、1年限りでの更新が必要なソフトである。また、分析を図化していくためのソフトも必要である。そのため、それらのソフトにまずは用いる。また、住民との話し合いなどを行って行くためのプレゼンテーションに、ノート型パソコンやソフトの購入が必要である。そして、それらの実施については、学生にも協力してもらうことを予定しており、謝金が必要である。
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Research Products
(5 results)