2013 Fiscal Year Research-status Report
福祉仮設住宅を用いた高齢者・障害者のための仮設施設の現状と課題に関する研究
Project/Area Number |
24560757
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Research Institution | Tohoku Institute of Technology |
Principal Investigator |
石井 敏 東北工業大学, 工学部, 教授 (90337197)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
狩野 徹 岩手県立大学, 社会福祉学部, 教授 (00204595)
三浦 研 大阪市立大学, その他の研究科, 教授 (70311743)
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Keywords | 福祉仮設住宅 / 高齢者 / 障がい者 / 東日本大震災 / 応急仮設住宅 / 災害救助法 / グループホーム |
Research Abstract |
平成25年度は、主に3つの調査から研究を進めた。一つは福祉仮設住宅の立地や一般仮設住宅との配置関係に関わる調査である。各種資料から福祉仮設住宅を抽出し、全施設41か所の立地と配置の状況について地図の位置情報から分析した。一般仮設住宅と近い距離で近接して設置されているものが19カ所(46.3%)、独立して単独で設けられているものが16カ所(36.0%)、同一敷地に併設して設置されているものが6カ所(14.6%)などの結果が明らかになった。 2つ目は福祉仮設住宅の平面分析による調査である。入手できた17の平面図をもとに、建築計画上の状況を読み取り、面積や設備・仕様について分析した。結果的には平面型として7タイプが収集された。各県の福祉仮設住宅の建築的な特徴や課題を具体的に抽出した。 3つ目の調査は実地の訪問ヒアリング調査である。建物や空間の状況、利用上の課題、運用上の課題などについては24施設に訪問し、ヒアリング調査を行った。宮城県15カ所、岩手県3カ所、福島県6カ所の福祉仮設住宅について行った。認知症高齢者グループホームが多くを占めるが、障がい者グループホーム(共同生活介護)、高齢者支援住宅も含む。 上記2つの調査結果の状況を踏まえた上で、その状況を訪問して確認するとともに、建築的、運営的な実際の状況を実地での調査から明らかにした。 今年度の調査を通して、福祉仮設住宅における実態とさまざまな課題が明らかになった。今回の調査結果と課題を踏まえた上で、同様の規模・規格の中でも最良の計画が行われるよう、知見を集積し、最終年度の成果につなげていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究の2年度目は実地の訪問ヒアリング調査を精力的に行い、知見の集積を図ることができた。アンケート調査実施の予定もしていたが、調査を進める中で、実際に訪問してヒアリングを行うことの方が具体的で効果的な成果が得られることが明らかになったため、訪問調査件数を増やして対応した。概ね計画通りの成果が得られたと考える。
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Strategy for Future Research Activity |
3年目(最終年度)は、過去2年間での調査によって得られた知見を基本としながら、福祉仮設住宅のモデルとなるような計画提案を行う。また、社会への成果の公表方法の検討(学術論文としての投稿、および都道府県担当課への成果の公表等)を行いながら、実行する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
(1)旅費として確保していた予算おいて、宿泊費が当初よりも安く済んだため、その分が差額として生じた。 (2)福島県における調査を研究分担者とともに行う予定だったが、日程調整がつかず研究代表者のみで行ったため、見込んでいた旅費相当分に差額が生じた。 当該年度実施できなかった研究分担者も含む合同での福島調査を次年度実施する。
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Research Products
(4 results)