2014 Fiscal Year Research-status Report
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24560765
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Research Institution | Nihon Fukushi University |
Principal Investigator |
田中 賢 日本福祉大学, 健康科学部, 教授 (00387747)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
樋野 公宏 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (30391600)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 東日本大震災 / 避難所 / 防犯 / 防災 / 自然災害 / 防犯環境設計 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究で実施した東日本大震災時の防犯に関する宮城県警察本部への聞き取り結果および東日本大震災時の避難所生活経験者に対するアンケート調査結果を2014年度日本建築学会大会(近畿)学術講演会・建築デザイン発表会において「震災復旧期における犯罪不安対策に関する調査 震災時における防犯まちづくりに関する研究 その1」で発表した(会場:神戸大学、期間2014年9月12日~14日)。避難場所関連のセッションでの発表であったため参加者の関心は高く、また他の発表に類似の「防犯」関連の研究がなく議論も活発に行われた。避難所で(運営者により)実施された防犯対策は暗がり対策が41.7%と最も多く、次いでトイレ対策(男女別の仮設トイレの設置)が23.7%である。一方、避難所生活者の要望は暗がり対策(82.7%)、着替え・授乳配慮(55.3%)となり、要望に比べて実施率が低い点などが示された。 この研究成果を一般生活者へ啓蒙普及することを目指してボランティア育成講座内で試験的に組み込んでみた。市民の安全教育に先進的な取り組みをしている愛知県春日井市の市民を対象にした安全ボランティア育成講座「春日井安全アカデミー」安全学部専門課程生活安全コースの全7講中の第5講(地域で取り組むまちづくりの進め方、担当:樋野)、第7講(生活環境から安全・安心を考える、担当:田中)の講義の中で本研究成果を扱った。巨大地震が予想される地域では、このような講習は有効である。 2014年7月に、防犯環境デザインの世界的権威であるRichard Schneider氏(フロリダ大学名誉教授)と意見交換を行い、研究成果の汎用性を高め台風(風水害)時の防犯対策にまで言及することとした。また、同氏を共著者に加え、米国の災害時における対応も踏まえて論文執筆を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究成果をより発展的にまとめることを目指して、また広く普及させることを目指して、内容を自然災害時の防犯対策に拡げ、Richard Schneider氏(フロリダ大学名誉教授)を共著者に加えて英文誌への論文投稿作業を行っている。そのため、研究期間の延長申請を行っているが、研究の遅延によるものではなく発展的な研究を目指したためである。
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Strategy for Future Research Activity |
自然災害時の防犯についてRichard Schneider氏と意見交換を行い英文誌への論文投稿作成を行っている。Urban and Regional Planning Review (URPR)に研究論文「Crime prevention and privacy protection method for disaster(仮称)」を2015年度に投稿予定である。
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Causes of Carryover |
2014年7月に防犯環境デザインの世界的権威であるRichard Schneider氏(フロリダ大学名誉教授)と意見交換を行う中で、同氏を共著者に加え、米国の災害時における対応(ハリケーンなどの風水害による避難時の防犯対策など)も踏まえて本研究内容に関する論文を英文誌に投稿することを決めた。しかし、期間内には執筆および投稿が完了しなかったため、投稿料などに充てる予定だった分の未使用額が発生した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
2015年度にUrban and Regional Planning Review (URPR)に研究論文「Crime prevention and privacy protection method for disaster(仮題)」を投稿予定である。未使用額はその経費に充てる。具体的には、研究分担者の樋野准教授(東京大学)との打ち合わせ旅費、論文のネイティブチェック費用、URPRへの投稿料である。
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Research Products
(1 results)