2013 Fiscal Year Research-status Report
千里ニュータウン公社分譲マンション居住者の生活と管理組合活動の計画史的研究
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24560777
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Research Institution | Kyushu Women's University |
Principal Investigator |
岡 俊江 九州女子大学, 家政学部, 教授 (90223990)
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Keywords | メゾネット / 住まい方 / 千里ニュータウン / 管理組合 / マンション / 時系変化 |
Research Abstract |
千里ニュータウンに、1967年に大阪府住宅供給公社によって建築された同NT初のメゾネット型式集合住宅Aマンション(54戸うち管理人室1戸、6階建て)を対象に、本年度の研究課題3点に取り組んだ。 (1)管理組合活動の歴史・建替え合意形成過程 実態調査-管理組合記録の整理と解析: ①1967年分譲時から2011年退去時までの45年分の記録の整理は電子ファイル化を完了した。②所有権・管理の変化解明のために、区分所有権の移動、賃貸化率の変動、管理形態の変化の読み取り作業と、建替え合意形成過程の考察のための総会議事録等資料の探索を開始した。③管理組合役員に対する管理の概要のヒアリング調査は次年度に持ち越した。 (2)メゾネット型式住宅の住まい方調査:7月と9月に、現地の訪問調査を実施して、居住者7例を対象に、家族構成の変化と住まい方、リフォームの有無と内容をヒアリングした。一つのマンションで同じ平面構成の居住する世帯の居住歴と家族構成の変化と就寝室分解の時経変化を前年度の10世帯に7世帯を加え計17世帯を明快に図示できた。9月の日本建築学会大会、2014年3月の九州支部研究発表会で発表した。 (3)メゾネット型式住宅の計画史的検証:①建築学会の発表と作品掲載誌を基に、メゾネット型式集合住宅の既往研究をレビューして計画史を辿る作業は、文献と旧日本住宅公団の図面を収集して、住棟内のメゾネット型式住戸の配置の特徴を供給期・住戸規模別に考察した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度の研究課題3点のうち、 (1)管理組合活動の歴史・建替え合意形成過程 実態調査-管理組合記録の整理と解析: ①1967年分譲時から2011年退去時までの45年分の記録の整理は電子ファイル化作業を完了し、②所有権・管理の変化解明のために、区分所有権の移動、賃貸化率の変動、管理形態の変化の読み取り作業を行った。③管理組合役員に対する管理の概要のヒアリング調査を次年度に持ち越すことにした。 (2)メゾネット型式住宅の住まい方調査:順調に展開し、一つのマンションで同じ平面構成に居住する世帯の居住歴と家族構成の変化と就寝室分解の時経変化を前年度の10世帯に7世帯を加え計17世帯を明快に図示できた。9月の日本建築学会大会、3月の九州支部研究発表会で発表した。 (3)メゾネット型式住宅の計画史的検証:順調に展開した。①建築学会の発表と作品掲載誌を基にメゾネット型式集合住宅の既往研究をレビューして、計画史を辿る作業は、メゾネット供給初期の文献も収集でき、設計事務所から原図に基づくコピーを入手することができた。②旧日本住宅公団・現都市再生機構西日本支社所管の近畿地方の図面を収集・分析して、戸数規模と住戸配置の傾向を明らかにした。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)管理組合活動の歴史・建替え合意形成過程 実態調査-管理組合記録の整理と解析: Aマンションの建替え決議は最終的には「全員合意」となったが、建替えは10年前の提議から中断、再提議の経緯を辿っている。このプロセスを辿る課題は、昨年度停滞したので、5月-12月に、この課題に注力する。①建替え提議前約30年間の建物の維持管理状況を専門委員会の記録の存在の有無を確認した上で、大規模修繕の決議の経緯と修繕内容を明らかにする。②記録を基に建替え合意形成過程の考察を行う。③建替えに関するヒアリング調査を行う。対象と内容は管理組合役員から経緯について、当初建替え反対居住者から反対の理由と考えの変化について(予定)、建替え賛成居住者から賛成の理由について。④建替えを可能とした理由について、管理組合役員と協同で、管理組合活動の検証を行う。⑤27年3月、日本建築学会九州支部で発表する。 (2)メゾネット型式住宅の住まい方調査:①住まい方について、17例の事例を全体的にみて、各世帯(個人)とマンション(集合体)の生活史として記録する。②9月、前年度の成果を日本建築学会大会で発表する。③10月-27年3月、住まい方調査をまとめ、生活史を編集する。居住者にもわかりやすい表現を検討する。 (3)メゾネット型式住宅の計画史的検証:①5月-12月、前年度まで収集した建築学会の発表と作品掲載誌を基に、メゾネット型式集合住宅の既往研究をレビューして、計画史を辿る。 ②5月-12月、Aマンションの住まい方を計画史の視点から検証する。 (4) (1)~(3)をまとめ、報告書を編集する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究費の使途のうち、旅費が、調査費(大阪・福岡県内他)と日本建築学会大会(北海道)発表のための参加費が当初計画より多くなり、他方、人件費が少額であった。これらの相殺で、次年度使用額が生じた。 研究費の使途は、(1)旅費(調査旅費と研究成果発表の学会参加費と、(2)その他(報告書作成費)が多くを占める。 (1)旅費:①調査旅費(大阪・東京・福岡県内他)30万円、②研究成果発表の学会参加費:(日本建築学会大会 神戸市、日本建築学会大会九州支部研究発表会 熊本市)20万円、③参加人数は研究代表者の岡と研究協力者3人の計4人である。(2)その他:報告書は、Aマンション居住者・調査協力者に配布する。印刷物とDVDの両方を検討している。50万円、他に、(3)人件費:報告者作成のためのアルバイト代として20万円、などである。
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Research Products
(5 results)