2015 Fiscal Year Research-status Report

オリンピックを契機とした都市改造の分析―東京・ソウル・北京の事例分析と国際比較

Research Project

Project/Area Number	24560781
Research Institution	Nagoya University
Principal Investigator	片木篤名古屋大学, 環境学研究科, 教授 (70204419)
Project Period (FY)	2012-04-01 – 2017-03-31
Keywords	オリンピック / 競技施設 / 都市計画 / 東京 / ソウル
Outline of Annual Research Achievements	本研究「オリンピックを契機とした都市改造の分析ー東京・ソウル・北京の事例分析と国際比較」は、高度経済成長期にオリンピックを開催した東京・ソウル・北京を取り上げ、それぞれの都市におけるオリンピックを契機とした都市改造の計画・実施を明らかにしようとするもので、平成27年度は、ソウル・オリンピック（1988年）の会場計画と実施、東京オリンピック（1940年、1964年、2020年）の会場計画ー都市計画の相関及び三者の比較を、研究代表者・片木篤と博士研究員・朴光賢の２名で実施した。ソウル・オリンピック（1988年）の会場計画と実施については、朴光賢『ソウルオリンピックを契機としたソウルの都市改造に関する研究』（学位論文、名古屋大学、2016年9月）第4章「ソウルオリンピック競技施設計画」・第５章「ソウル総合運動場とオリンピック公園」で詳論し、かつその概要を朴光賢「ソウルオリンピック競技施設配置計画とソウル都市計画用途地域における緑地地域との相関について」（『都市計画』第65巻第1号、2016年3月、pp.60-61）にまとめた。東京オリンピック（1940年・1964年・2020年）の会場計画ー都市計画の相関及び三者の比較については、片木篤「オープン・スペース・デザインからオリンピック・パラリンピック東京大会を考える」（『都市計画』第65巻第1号、2016年3月、pp.12-17）及び同誌口絵「オリンピック東京大会会場計画ー1964年と2020年の比較」（同書、pp.4-5）として発表した。
Current Status of Research Progress	Current Status of Research Progress 2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned. Reason ソウルオリンピックの全体会場計画、ソウル総合運動場とオリンピック公園それぞれの配置計画と建築については、朴光賢の学位論文第4章、第5章でまとめた。これにより、漢江開発、鉄道・地下鉄網の整備等を除き、ソウルオリンピックを契機とした都市改造の計画・実施の分析に関しては、とりあえずの完成を見た。また東京オリンピックについては、1940年、1964年、2020年の会場計画と都市計画の相関を見た上で、三者を等スケール・等範囲で比較した。これは東京オリンピックの分析に新たな知見をもたらすとともに、東京ーソウルの国際比較を行う際の下地となる。
Strategy for Future Research Activity	ソウルのケーススタディは平成27年度に終了した。また平成26年度研究実施状況報告書に記載したように、都市図・都市計画図等の閲覧・入手が難しいことから、北京の都市スケールでの分析を断念せざるを得なくなった。本年度は、入手し得た資料に基づき、北京オリンピックの会場計画の分析を行うとともに、東京、ソウル、北京オリンピックの会場計画の比較、東京、ソウルの都市計画の比較を行い、最終年度の研究成果報告書をとりまとめる予定である。