2013 Fiscal Year Research-status Report
DBTT周辺のSiシャッフル転位とグライド転位の本性と破壊靭性値の関係
Project/Area Number |
24560803
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
坂 公恭 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 名誉教授 (90023267)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 勝寛 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (00211938)
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Keywords | 格子欠陥 |
Research Abstract |
1)レーザー照射という極端条件下でSi中に転位を導入すると、極めて特異な転位が導入されることが分った。これらの転位の本性について予備的な成果を得た。レーザー照射による超高歪速度加工を開発し、融点直下で超高歪速度変形されたSi単結晶中の転位の同定を試みた。 2)4H-SiC中の貫通転位の芯構造に関し、詳細な電子顕微鏡観察を行い、その構造を決定した。ほぼらせん転位のもの(TnSD)と混合転位のもの(TMD)2種類を同定した。後者のものは本研究で初めて見出された。TnSDは電流リークにはほとんど関与しないが、TMDは大きなリーク電流を示した。、そのほかに知られている完全らせん転位(TpSD)のと上記2種類の形成エネルギーをバーガースベクトルから求めると、その存在確立と矛盾した。この問題を分解モデルから論じ説明した。この成果はPhilosophical Magazine Lettersに2報の論文として発表した。また、貫通転位は純粋な刃状あるいはらせん転位よりずれていることを見出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
(1) a)レーザー照射による超高歪速度加工を開発し、融点直下で超高歪速度変形されたSi単結晶中の転位の同定を試み、予備的な結果を得た。(達成度50%) b)真空中、空気中、水中の3つの異なる環境下で、Siの表面のスクラッチにより転位を導入し、損傷組織をTEM観察した。この成果は、精密工学会の春季講演会で口頭発表した。(達成率70%) (2) 4H-SiCエピ層中の貫通転位についてその芯構造の解明を行った。(達成率100%)
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Strategy for Future Research Activity |
(1) a)レーザー照射でSi中に超高温、超高歪速度で導入した転位の本性をTEM観察により決定し、転位の導入が熱的過程、非熱的過程のいずれによって支配されているかを決定する。これにより、Si中のshuffle 転位- glide 転位の遷移の本性を解明する。 b) 真空中、空気中、水中の3つの異なる環境下で、Siの表面のスクラッチにより導入した転位についてさらに詳細な調査を行い、Si中のshuffle―glide転位の遷移に及ぼす環境の影響を解明する。 (2)SiC中の貫通らせん転位は純粋ならせん方向からずれていることが25年度の研究で明らかになったが、その理由を解明する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
使用透過電子顕微鏡が実験中に故障を起こし、当該年度内に修理が完了しなかったため、次年度支払いとなった。(見積額50万程度) 高純度半導体結晶など40万、研究成果発表(国内)20万(海外) 40万、集束イオンビーム加工機使用料10万、透過電子顕微鏡修理費50万
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