2013 Fiscal Year Research-status Report
過冷却液体の鍛造によるFe基金属ガラス板材の作製とその軟磁気特性
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24560806
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Research Institution | Akita Prefectural University |
Principal Investigator |
尾藤 輝夫 秋田県立大学, システム科学技術学部, 教授 (40315643)
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Keywords | 非晶質合金 / 軟磁性材料 / 過冷却液体 |
Research Abstract |
昨年度に引き続き、過冷却液体領域での鍛造に適した材料組成の検討を行った。昨年度の結果から、Co40Fe22Nb8-xZrxB30 (x = 2, 4), Co23Fe40Nb5.5B31.5などが結晶化の潜伏時間が長く、過冷却液体領域での鍛造に適しているものの、飽和磁化が低い点が問題であった。今年度は、ガラス形成能と飽和磁化の向上を目指し、Fe基金属ガラスへのYの添加を試みた。 高い飽和磁化を有する(Fe0.8Co0.2)96-xBxSi1Nb3 (x = 15, 17)合金はガラス遷移を示さないが、Nbの一部をYで置換することによりガラス形成能が向上し、17 at% B、2~3 at% Yではガラス遷移が観測されることが分かった。また飽和磁化は、Y濃度の増加にともない最初は減少するが、1 at%付近から上昇に転じ、2 at%付近で極大を示す。それにより、2 at% Yの合金はY無添加の合金よりもわずかながら高い飽和磁化を示すことが分かった。 更に、高いガラス形成を持つ[(Fe0.5Co0.5)0.75B0.20Si0.05]96Nb4合金においてNbの一部をYで置換した結果、2 at% Yで飽和磁化が約7%向上し、ガラス遷移温度付近における結晶化の潜伏時間も約2倍に増加することを見出した。従って、Fe-Co-B-Si-Nb合金のNbをYで部分置換する手法は、高いガラス形成能(長い結晶化の潜伏時間)と高い飽和磁化の両立に効果的であることが分かった。 また昨年度に引き続き、圧縮試験機を用いた鍛造の基礎的検討として、試料の加熱方法について検討を行った。ハロゲンランプを用いた加熱方法では、試料と同時に試料周辺の治具等も加熱されるため、治具等の大きな熱容量の影響で、加熱後に試料を速やかに冷却できないことが問題となった。そこで、試料自体を発熱させるジュール加熱方式を採用することとした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
圧縮試験機を用いた鍛造の基礎的検討において、当初使用を予定していた加熱装置(共用設備)の経年劣化が著しく、本来のスペック通りの加熱速度が得られないことが判明した。そのため、加熱方法の検討をやり直す必要に迫られたため。
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Strategy for Future Research Activity |
加熱方法の検討には手間取ったものの、問題はほぼ解決できたものと考えられる。並行して進めていた、鍛造に適した材料組成の検討では十分な成果が出ているので、今年度は最適な材料について重点的に、過冷却液体領域における鍛造の検討を行う。また鍛造の検討については、研究のスピードアップのため、圧縮試験機と並行してプレス機による検討も進める予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
加熱方法を変更した結果、発注を予定していた治具等が一部不要になったため。 昨年度までに生じた残金を利用してプレス機を導入し、研究のスピードアップを図る。今年度分の研究経費は、鍛造用母材作製用の鋳型、及び原材料等の消耗品、及び学会旅費として使用する。
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Research Products
(5 results)