2013 Fiscal Year Research-status Report
固体NMRを基盤としたヘテロ元素ドープカーボン材料の解析手法の確立
Project/Area Number |
24560818
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
黒木 重樹 東京工業大学, 理工学研究科, 特任准教授 (30293046)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
難波江 裕太 東京工業大学, 理工学研究科, 助教 (40514881)
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Keywords | ヘテロ元素ドープカーボン / 固体NMR |
Research Abstract |
平成24年度のポリアニリンに引き続き,窒素ドープカーボンの前駆体の窒素含有高分子として,ポリグリシン,ポリアクリロリルを選択し,その炭素化過程および炭素化後のカーボン骨格中の窒素種の同定を固体NMRを用いて行った.まず,窒素NMR測定のため,15Nラベルグリシンおよび15Nラベルアクリロニトリルを重合して,15Nラベルポリグリシンおよびポリアクリロ二トリルを合成した.それらの試料の熱分解挙動を示差熱ー熱重量同時測定(TG-DTA)で評価した.その後,TG-DTAデータに基づき,15Nラベルポリグリシンおよびポリアクリロ二トリルの窒素雰囲気下200~800℃の温度領域での熱処理を行った.それらの試料のCHN比を元素分析により明らかにした.さらに,FTIR測定を行い,熱処理による化学構造の変化,高温熱処理での炭素化は粉末X線回折(XRD)測定で評価した.それらの試料の固体13Cおよび15NNMRスペクトルを測定し,炭素化過程でどのような窒素種が生成するかの解析を行った. さらに金属種をドープすることによる炭素化過程の変化を評価するため,15Nラベルポリアニリンに鉄塩を加えそのその炭素化過程および炭素化後のカーボン骨格中の窒素種の同定を固体NMRを用いて行う仕事に着手している.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
すでに,ポリグリシンおよびポリアクリロニトリルの熱処理による炭素化過程の詳細を明らかにし,その際の窒素種の同定に成功している.また,金属種をドープすることによる炭素化過程の変化を評価するため,15Nラベルポリアニリンに鉄塩を加えそのその炭素化過程および炭素化後のカーボン骨格中の窒素種の同定を固体NMRを用いて行う仕事にすでに着手しているため,今後の研究の進行をさらに加速できる.
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Strategy for Future Research Activity |
すでに述べているように,ポリアニリンにおいては微量の鉄種を導入することにより,生成する窒素種および炭素化過程が大きく変化することが知られてる.また,鉄含有窒素ドープカーボンは高分子形燃料電池のカソードにおける酸素還元触媒としても有用であることがわかっているため,鉄含有ポリアニリン炭素化物の構造解析は,その酸素還元活性点の解明にも役立つ.本最終年度は,その解明に集中的に尽力する.
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Research Products
(12 results)