2014 Fiscal Year Annual Research Report
固体NMRを基盤としたヘテロ元素ドープカーボン材料の解析手法の確立
Project/Area Number |
24560818
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
黒木 重樹 東京工業大学, 理工学研究科, 准教授 (30293046)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
難波江 裕太 東京工業大学, 理工学研究科, 助教 (40514881)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ヘテロ元素ドープカーボン / 固体NMR |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、ポリアニリンをマトリックス高分子としてその中に鉄、コバルト、ニッケル、マンガン、銅という金属を導入し、その炭素化過程および炭素化後の窒素の同定と金属種の影響を固体NMRを用いて行った。 窒素NMRの測定のため、15Nラベルされたアラニンを用いてポリアニリンの重合を行った。得られた15NポリアニリンをFeCl3、CoCl2、NiCl2、MnCl2、CuCl2を溶解させた 水溶液中に分散させることにより、金属イオンをドープしたポリアニリンを調製した。調製後、FeCl3やCuCl2の場合、大きな質量増大が観測されたが、他のものでは質量変化の度合いは小さかった。そのようにして調製した金属ドープポリアニリンを窒素雰囲気化で800℃で熱処理することにより、炭素化させた。 800℃で炭素化された金属含有ポリアニリンの固体15NCP/MASNMR測定から、鉄および銅含有ポリアニリンでは信号が観測されなかった。これは、金属イオンの常磁性の影響で1H-T1rが著しく短くなったためと考えられる。そこで、常磁性による磁気緩和時間の減少を用いて、繰り返し時間を極端に短くすることにより、常磁性物質のNMR測定が可能になる。その結果、上記の鉄および銅含有ポリアニリンを含めたの金属含有ポリアニリンのNMRスペクトルが観測された。これはすべての試料において金属イオンが残存していることを意味する。さらに、鉄および銅含有ポリアニリンにおいては広い周波数帯域に金属のd電子と核の間の双極子ー双極子相互作用によるスピニングサイドバンドが観測された。このスピニングサイドバンドパターンを理論的に解析することにより、鉄イオンと窒素核の間の距離を算出することに成功した。
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Research Products
(6 results)