2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24560819
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
篠田 豊 東京工業大学, 応用セラミックス研究所, 助教 (30323843)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ガラス状炭素 / 粘弾性 / 高温変形 |
Outline of Annual Research Achievements |
市販のグラファイト材料、グラッシーカーボン、ならびに種々の気孔構造を有する炭素材料を作製し、BET法による気孔構造の解析、SEM、TEMによる微細組織の評価を行った。また、それらの炭素材料を1.5×1.5×2mm3角に切り出し圧縮試験片とし、島津サーボパルサーを用い、ヘリウム雰囲気中、室温から1800℃の温度域において初期ひずみ速度1×10-4/sのクロスヘッド一定速度で圧縮試験をし比較を行った。また、除荷曲線より弾性回復挙動を調査した。 100nm以下の細孔径分布を有する低密度炭素材料(0.8g/cm3)の弾性定数は、市販の粗大な気孔を有する高密度高強度グラファイト材料(1.8g/cm3)の10分の1程度であった。これより、気孔率は炭素材料の力学特性により顕著な影響を及ぼすことが分かる。市販のグラッシーカーボンとグラファイト材料の圧縮試験に依る応力ひずみ曲線から、グラッシーカーボンの弾性係数はグラファイトのそれよりも遥かに大きな値を示し、いずれの材料もひずみ0.05にも及ぶ弾性回復を示した。グラッシーカーボンの密度はグラファイトよりも小さく(1.6g/cm3)、密度と弾性率が比例関係にないことが分かった。グラッシーカーボンの微細構造を高分解能TEM観察にて調査し、従来のモデルに示されるような気孔が存在せず、そこは低密度の非晶質カーボンで満たされていることが明らかとなった。これより、グラッシーカーボンの粘弾性挙動をバネ、ダッシュポットを用いた3要素粘弾性モデルにより解析した。
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