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2012 Fiscal Year Research-status Report

常圧炭化水素熱分解による金属上の機能性炭素材料作製と評価

Research Project

Project/Area Number 24560820
Research Category

Grant-in-Aid for Scientific Research (C)

Research InstitutionThe University of Electro-Communications

Principal Investigator

田中 勝己  電気通信大学, 情報理工学(系)研究科, 教授 (30155121)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) CHOO Cheowkeong  電気通信大学, 情報理工学(系)研究科, 助教 (00323882)
Project Period (FY) 2012-04-01 – 2015-03-31
KeywordsDLC / ラマン分光法 / カーボンナノチューブ / 炭化水素熱分解 / Nドープ / 界面構造
Research Abstract

試料として純鉄を用いて、電気炉内でメタンとアルゴンの混合ガスを所要温度で反応させDLC膜を作製した。ラマン分光法装置を用いて、焦点を変えることでDLC膜表面から純鉄試料表面まで深さ方向で分析し、Gピーク、Dピークの形状に変化が無いことからDLC膜内は均一な組成であることが分かった。XPSのC1sスペクトルの波形解析からsp2とsp3の割合を求め前者の多い膜であることが分かった。DLC膜の堆積した純鉄試料を重合剤で固定し、購入した切断機と研磨機により切断、研磨した断面をSEM、EPMAで解析を行った。膜厚がサブμmと薄いことから基板とDLC膜との界面をEPMAで解析したが、更に精度の高い実験が必要となっている。反射FTIRの実験ではスペクトル強度が弱く、透過法でのC-H観測実験を計画している。
試料としてセラミックスを用いて、気相から触媒を供給しメタンとアルゴンの混合ガスを電気炉で熱分解する方法によりカーボンナノチューブの合成に成功した。ラマンスペクトルの解析から、単層ナノチューブと多層ナノチューブの合成を確認した。分解温度、触媒の状態によりどのようなナノチューブを合成できるか明らかにしていく。
NをドープしたDLCの合成を行い、Nがドープされていることを分光法から明らかにし半導体としての物性を評価した。Nを多量としてCNxの合成へと展開を図る予定である。
原料炭化源を工夫することで、従来のメタンとアルゴン混合ガス使用の場合と比べ反応時間を1/10以下に短縮できる方法を開発した。作製されるDLCはsp3炭素の割合が多く、バンドギャップも広く、伝導性も従来のDLCに比べ2桁ほど低く半導体に近づいている。特許申請を行っている。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

第1の目的は金属等の基板とDLCとの界面構造の解析であるが、この目的はまだ完全には達成できていない。分解能を挙げてEPMAで解析する必要がある。今年度後期に大学のEPMAの設備更新があり、現在のEPMAで困難であった界面の分解能を挙げた解析が可能になるのでH25年度の後半には研究進展が期待できる。
第2の目的はダイヤモンド、カーボンナノチューブ(CNT)などの機能性炭素の合成と評価であるが、こちらは順調に進展している。単層、多層のCNTを合成できる条件を見出し、ラマン分光法により単層CNTを、SEMにおいて層CNTを観測できている。
DLCへのドープに関してもNドープのDLC作製には成功したが、半導体としてはまだ伝導性が高く更なる工夫と実験が必要となっている。

Strategy for Future Research Activity

基板とDLC膜との界面の解析について、DLC堆積した試料を切断、研磨した試料の断面をEPMAとともにラマン分光法により解析する研究を継続する。設備更新される新型EPMAを用いて、特に金属ーDLC界面の高分解解析を推進できる。
メタンとアルゴンを熱分解して作製するDLC膜の特性について、特にC-Hの存在、sp3、sp2の精度をあげた解析にはH-NMRと13C-NMRの測定が必要である。この測定のための試料作製について現在検討中である。DLC膜を基板から分離して薄膜とすることができると透過型のFT-IR測定が可能となるので薄膜として取り出す方法についても検討する。
CNT作製に関しては再現性と多量に作成できるような実験方法への改善が必要である。単層CNTについてはラマン分光法からの直径見積もりしかできていないので、STMあるいはAFM等での直径の実観察が必要であり、検討を行う。
DLCの半導体化に関しては更に工夫が必要と思われる。Nのドープ量を増やす事とDLCのsp3炭素の割合を増やす事が重要と考えられるので、ダイヤモンド合成を目的とした実験系の組み立てを検討している。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

該当なし

URL: 

Published: 2014-07-24  

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