2014 Fiscal Year Annual Research Report
常圧炭化水素熱分解による金属上の機能性炭素材料作製と評価
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24560820
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
田中 勝己 電気通信大学, 情報理工学(系)研究科, 教授 (30155121)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
CHOO Cheowkeong 電気通信大学, 学内共同利用施設等, 准教授 (00323882)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | DLC / ラマン分光法 / 炭化水素熱分解法 / Nドープ / カーボンナノチューブ / 界面構造 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度に当たり、1)金属基板とDLC膜の界面に生成し剥がれにくいBinderとして機能する界面層の生成メカニズムと構造を明らかにする、2)炭化水素熱分解法でDLC以外に作成させることのできる炭素同素体、例えばカーボンナノチューブ(CNT)の作製と評価、3)DLCへの不純物導入、を目的に実験を行った。 1)については、同温、同時間の処理によっても界面層が出来る場合とできない場合があり、生成メカニズムについては不明のままである。界面層が生成する場合もその厚さから生成速度を求めることはできなかった。金属基板表面状態に炭化水素熱分解反応が非常に敏感であることが推測された。 2)については、鉄触媒とアルコール等含酸素化合物を原料としてCNTの合成を行った。CNT合成には炭化水素原料としてメタンを用いるDLC作製する900度以上の場合に比べ含酸素化合物を用いることで700ー900度でCNTを合成できることが分かった。メタンを用いてDLCを作製する温度に比べ低温で作製できる。基板にゼオライト等多孔質材料を用いて、その細孔内に単相CNTを作製することを試みた。低端数側にRBMが観測され単相CNTが作製されたと結論した。観測された端数から単相CNTの直径を計算するとゼオライト細孔径の値とほぼ一致し、細孔内に合成されたと考えられる。 3)については、アンモニアを炭化水素と混合して熱分解を行いセラミックス上にN添加DLCを作製した。13CーNMRをもちいてsp2、sp3炭素の割合を計測した。Nを加えないDLCに比べsp3の割合が増加したが、まだsp3の割合は10%以下であった。XPS,UPSの測定からN添加DLCではフェルミ近傍にエッジが観測された。原因について究明している。
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