2014 Fiscal Year Annual Research Report
微小反応器内で流動する疑似体液からのチタン上へのリン酸カルシウム系化合物の生成
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24560821
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
木村 勇雄 新潟大学, 自然科学系, 教授 (00169921)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田口 佳成 新潟大学, 自然科学系, 准教授 (30293202)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | リン酸カルシウム / チタン / 疑似体液 / 流動 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の最終的な目標は,歯科インプラント術におけるチタン製人工歯根の定着性向上に資する材料の提供にある。平成26年度においては以下の成果を得た。(1) 撹拌場での固体生成操作:反応装置内の溶液の流れを評価し,邪魔板を設置すべき位置など設計についての基礎的知見を得た。(2) 溶液組成の影響:疑似体液を基礎として各種塩濃度溶液を作製し,リン酸カルシウム系化合物(CaP)生成量に対する影響を調査した。生体模倣を目標としていないので,必ずしも疑似体液を用いる必要はないことを確認した。(3) 界面特性評価:流動電位法での測定は実現できなかった。今後電位差滴定法の適用を試みる。(4) 固体生成機構の推定:固体生成を直接モデル化することは困難だったので,析出の逆現象である溶解の挙動から検討し,溶解度とイオン強度との関係を論じた。ただし,明快な結論を得るには,熱力学的基礎データの収集が必要である。 研究期間全般を通して,以下の結論を得た。(1) 静止している疑似体液が流動を開始する際の流れの乱れがCaP生成に重要な影響を及ぼす。静止時間に対して適正な流通間隔を設定する必要がある。(2) 固体生成に対しては,疑似体液中の特定のイオンが重要な役割を果たしている。それ以外の微量イオンのいくつかは別のイオンに置き換えることが可能である。用いる溶液はよく知られた疑似体液,あるいは血漿組成を模擬した複雑な組成である必要はないことが示唆されたが,最適化にはさらなる詳細な検討を要する。 以上のことから,今後展開すべき方向性を見出した。
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Research Products
(6 results)