2014 Fiscal Year Annual Research Report
グラフェンナノシート高濃度分散液の創製と電子デバイスへの応用のための基盤研究
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24560836
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
坪川 紀夫 新潟大学, 自然科学系, フェロー (20018675)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 酸化グラフェン / カチオン性官能基 / アニオン性感応機 / 分散性制御 / メチレンブルー吸着 / ラジカル捕捉 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度は、以下の項目について検討を行い、以下の研究成果が得られた。 1.酸化グラフェン(GO)表面へ導入したイオン性官能基のイオン反発に基づく分散化について検討した。その結果、GOをカチオン性、及びアニオン性官能基を持つラジカル開始剤で処理することにより、GOへイオン性官能基が導入できることが分かった。 2.イオン性官能基を導入したGOの分散性に及ぼす分散媒のpHの影響について検討した。その結果、カチオン性基導入GOは酸性下で、逆にアニオン基導入GOは塩基性下で安定に分散することを見出した。したがって、GOの分散性を分散媒のpHで制御できることが分かった。 3.GOの剥離状態を評価する方法の一つとして、BET比表面積が用いられているが、これは乾燥状態のデータであり、溶液に分散状態での表面積を評価する方法が知られていない。そこで、メチレンブルー吸着法を用いたGOの水溶液中での比表面積を評価する方法の開発を目指した。その結果、カーボンブラックなどのナノカーボンとは異なり、BET比表面積が同程度でも、GOのメチレンブルー吸着量から求めた比評面積が非常に大きくなることが分かった。したがって、BET比評面積とメチレンブルー吸着量とを比較検討することにより、溶液中でのGPの剥離状態を評価できることを見出した。 4.フイルムキャスト法による、還元GOナノシート高濃度分散液と親水性ポリマーや疎水性ポリマーなどの高分子との導電膜の作製を試み、還元GO含有量が透明度や電気伝導度に及ぼす影響について検討した。その結果、フイルムキャスト法により、還元GO分散ポリマーフイルムが調製できることが分かったが、透明性が十分なフイルムの作製は今後さらなる検討が必要があることが分かった。また、得られた還元GO分散複合化フイルムの導電性も、他の炭素材料複合化フイルムと比較して大きな差異が無かった。
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Research Products
(2 results)