2014 Fiscal Year Annual Research Report
ラテックスと無機粒子のヘテロ凝集制御による液相からのナノ粒子配列構造体の直接作製
Project/Area Number |
24560837
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
棚橋 満 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 講師 (70314036)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | アクリルラテックス / 無機ナノ粒子 / 分散安定度 / 複合体微構造 / ナノ分散 / 3次元網目構造 / 構造発色 / 階層構造 |
Outline of Annual Research Achievements |
ポリマーラテックスと無機ナノ粒子の混合水分散系の安定度制御を基盤技術として、ラテックスの造膜特性を利用した新たなポリマー/無機系複合構造体の簡易調製法の確立を目指し、平成24年度から継続して研究を行った。実施最終年度である26年度に得られた成果を以下に記す。 水分散系として、前年度までのアクリルラテックス(AcLx)+ジルコニアナノ粒子系に加え、シリカ、酸化スズ、チタニア、酸化インジウムスズナノ粒子をそれぞれAcLxと混合したAcLx+無機ナノ粒子系、およびスチレン・ブタジエン系ラテックス+カーボンブラック系を対象とした。前年度までに明らかにした複合体微構造制御のための最適調製条件である混合水分散系のヘテロ凝集の抑制・分散安定化を維持した状態での濃縮・乾燥操作として、混合水分散系のpH調整に加え、無機ナノ粒子表面への高分子電解質の吸着によるラテックスナノ粒子との静電反発力を利用した分散維持や超音波撹拌を利用した物理的分散維持によっても、ナノ分散型から3次元網目構造型まで幅広く微構造が制御された複合体を任意に作り分けることができることが分かった。特にAcLx+酸化スズ系やAcLx+チタニア系では、複合体微構造のナノレベルでの高精度制御(構成粒子の規則配列)が容易に達成された。この長周期微構造形成により複合体が構造発色する興味深い光学特性の発現も確認された。 本研究の総括として、出発原料であるラテックスと無機ナノ粒子の個数比と一次粒子径比、ラテックス粒子の最低造膜温度ならびに系内における同種粒子、異種粒子間の分散安定度が複合体微構造決定の主因子となることを明かにした。提案プロセスは、これらの因子を適切に選択することにより、目的とする微構造を有するポリマー/無機系複合体の設計・調製ならびに異なる微構造を有する複数の複合体の階層構造の形成が容易に実現できる技術となる可能性を有する。
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Remarks |
受賞実績 木村聡一郎: SBRラテックス,カーボンブラックおよびシリカナノ粒子混合水分散系制御による高分子ナノ複合材料の簡易調製, 2014年日本ゴム協会年次大会ポスター優秀発表賞, 日本ゴム協会, 2014年5月20日
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Research Products
(10 results)