• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2012 Fiscal Year Research-status Report

難剥離性極薄アパタイト皮膜チタン材料製造のための新表面処理技術の確立

Research Project

Project/Area Number 24560841
Research Category

Grant-in-Aid for Scientific Research (C)

Research InstitutionKitami Institute of Technology

Principal Investigator

大津 直史  北見工業大学, 工学部, 講師 (10400409)

Project Period (FY) 2012-04-01 – 2015-03-31
Keywordsチタンインプラント / アパタイト皮膜 / 表面処理 / リン酸カルシウム析出 / 皮膜密着強度
Research Abstract

本研究では、難溶性のハイドロキシアパタイト粉末に、少量の水を加えて攪拌することで作製できる、粘性を持った泥状(スラリー状)の処理剤中に、チタン基材を完全に埋没させ、そのままスラリーごと試料を熱処理するという、新しい表面処理プロセスを利用することで、剥離しにくいナノレベル膜厚のハイドロキシアパタイト(HA)皮膜、チタン基材表面に形成させることで、チタンインプラントが骨とより早くより強く結合できるように改良することを目指している。
平成24年度は、種々の処理条件で作製したHA皮膜を詳細に調べることで、皮膜特性に及ぼす各種処理パラメーターの影響を明らかにし、同品質なHA皮膜を安定的に大量作製する技術を確立することを目指した。しょ種々の処理パラメーターのうち、特に熱処理温度に着目し検討をおこない、その結果、① 処理温度600℃以下で形成した皮膜は、疑似体液中におけるリン酸カルシウム析出性能が極端に低く、骨形成性能に劣ると推察されること、② 処理温度650℃以上で形成した皮膜は、リン酸カルシウム析出性能に優れるが、皮膜膜厚の増加により、皮膜密着強度が極端に低下すること、以上の結果を得た。これらの結果より、安定的に良好な皮膜を大量生産するためには、処理温度625℃が最適であるという結論を得た。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

交付申請書における本年度の研究目標は、「処理パラメータの影響を明らかにし、適切な処理条件を見つけることで、同品質なHA皮膜を安定的に大量作製する技術を確立すること」であった。本年度の研究により、支配的な処理パラメーターである「熱処理温度」の影響を皮膜の生体適合性および機械的特性の面から詳細に検討し、その結果、安定作製に適した、最適な熱処理温度を確定することができた。この条件を用いることで、次年度以降、試料を大量生産することが可能となり、その試料を用いることで、次年度以降の研究を滞りなく遂行できると考える。故に、本年度における研究目的はおおむね達成され、順調に進展していると自己評価する。

Strategy for Future Research Activity

次年度以降においては、当該年度の研究にて決定した、処理条件を利用して作製したHA皮膜の細胞適合性密着強度および骨形成性能を、in-vitroレベルで評価することで、医療材料に適する皮膜を作製できる処理条件を確定する。骨形成性能の評価は、マウス骨芽細胞様細胞/MC3T3-E1をHA皮膜チタン材料上にて育成し、その分化の様子を観察することで評価する。
具体的な研究としては、以下の手順にて実施する。① マウス骨芽細胞様細胞/MC3T3-E1を、HA皮膜チタン上に播種する。② 培養後した細胞を、ホルマリンで固定した後エタノールにて脱水し、その形態を走査電子顕微鏡にて観察する。③ 接着細胞数をWST法にて評価する。④ 培地にアスコルビン酸,β-グリセロリン酸ナトリウムおよびデキメタゾンを添加し、骨芽細胞の分化を誘導する。⑤ 骨芽細胞の分化活性度を、アルカリホスファターゼ(ALP)活性にて評価する。⑥ 培養を継続し、石灰化結節の形成をアリゼリンレッド染色後、光学顕微鏡にて観察して評価する。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

本年度は、処理パラメータの影響を明らかにするために、種々の熱処理温度を利用して表面処理を行うことで、適切な処理条件を見つけることを目指した。これを推進するため、当初計画では、1000℃付近まで加熱できる高温電気加熱炉を購入する予定であった。しかし、実験をおこなった結果、800℃以上まで加熱すると、金属酸化の進行により、チタン材料が強度を失うことが判明したため、計画を変更し、800℃以下にみに関して検討をおこなうこととした。そのため、高温電気炉の購入が不要となり、本年度の研究費が残余した。
次年度以降は、研究計画に従い、細胞培養実験を開始するが、そのためには、研究遂行に必要な設備備品の購入が必要となる。故に、次年度の研究費は、本年度の残余研究費を併せて使用し、主にこの装置購入に充当する。また、装置購入後の残余は、培養に必要な消耗品および薬品類の購入に用いる予定である。

  • Research Products

    (3 results)

All 2013 2012

All Presentation (3 results)

  • [Presentation] スラリー埋没加熱処理アパタイト皮膜チタン材料上での細胞活性評価2013

    • Author(s)
      平野満大、久慈泰介、新井博文、大津直史
    • Organizer
      日本金属学会
    • Place of Presentation
      東京
    • Year and Date
      20130327-20130329
  • [Presentation] スラリー埋没加熱処理アパタイト被覆チタン材料の in vitro 評価2012

    • Author(s)
      大津直史、平野満大、新井博文
    • Organizer
      日本金属学会
    • Place of Presentation
      松山
    • Year and Date
      20120917-20120920
  • [Presentation] スラリー埋没加熱処理における熱処理温度が皮膜密着強度および細胞接着に与える影響2012

    • Author(s)
      高原豊文、平野満大、大津直史
    • Organizer
      日本金属学会
    • Place of Presentation
      松山
    • Year and Date
      20120917-20120920

URL: 

Published: 2014-07-24  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi