2014 Fiscal Year Annual Research Report
超高圧高温を利用した新しい機能性ダイヤモンドの創成と探索
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24560844
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
後藤 弘匡 東京大学, 物性研究所, 技術専門職員 (50596004)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ダイヤモンド / 高温高圧合成 / 不純物 / ドープ |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度は、昨年と同様な超高温高圧ダイヤモンド直接変換法を用いて、マグネシウムをドープしたダイヤモンドの合成を試みた。炭素とマグネシウムを混合した試料を準備し、合成圧力と温度、試料の混合比、あるいは、炭素の種類といったパラメータを変えながら合成実験を繰り返し行った。しかし、20万気圧前後、2000℃以下の温度圧力条件においては、いずれも高温高圧力下で安定な炭化マグネシウムが生成し、ダイヤモンドへの変換はほぼ起こらなかった。この手法ではダイヤモンドの合成が極めて困難であると判断されたため、方針を転換して、合成圧力と温度はそのままで、試料に触媒となる第三の物質を混ぜる触媒を利用した合成方法を採用することにした。その結果、最終的にはマグネシウムを含有したダイヤモンドを合成する事に成功した。 回収された試料に対してEDS分析、ラマン分光分析、X線回折実験を行った結果から、極微量であるがマグネシウムがドープされた立方晶ダイヤモンドが合成できた事が分かった。また、放射光を用いたその場観察実験により、本実験条件下において不純物ドープダイヤモンドが合成されるメカニズムが、おおよそ明らかになりつつある。これら成果は研究会等で発表された。研究期間は終了したが、この合成手法をさらに最適化する事によって、より均一で大きなダイヤモンドを合成し、その物性を明らかにするべく、継続して研究を進めている。
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Research Products
(5 results)