2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24560853
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
松田 潤子 九州大学, カーボンニュートラル・エネルギー国際研究所, 助教 (00415952)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 健太 名古屋大学, 高等研究院, 助教 (10581118)
SHAO Huaiyu 九州大学, カーボンニュートラル・エネルギー国際研究所, 助教 (20614697)
李 海文 九州大学, 水素エネルギー国際研究センター, 准教授 (40400410)
佐々木 優吉 一般財団法人ファインセラミックスセンター, その他部局等, その他 (40426507)
秋葉 悦男 九州大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (90356345)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 水素吸蔵反応 / その場観察 / 環境制御型TEM |
Outline of Annual Research Achievements |
常温、1000 Pa以下で水素吸蔵・放出するMg-Ni膜について、環境制御型透過電子顕微鏡(ETEM)を用いて、水素ガスを導入しながら水素化反応のその場観察を行った。観察した試料はマグネトロンスパッタ法を用いてSi基板上に作製し、表面に酸化保護膜としてPdを蒸着した6Mg-Ni, 2Mg-Ni, 10Mg-Ni膜で、イオンミリング法によりTEM観察用断面試料を作製し、通常の電界放出型TEMで予備観察を行った。その後、ETEMに挿入し、試料まわりに80 Paまで段階的に水素を導入し、0.05秒/フレームごとに膜の構造変化を記録した。6Mg-Ni膜について80 Paで水素雰囲気を保持し、30万倍以上の高倍で観察したところ、観察開始から20秒以内で、Mg-Niアモルファス中で1nm以下のクラスターが結晶核となり、そこから2-5 nmの微結晶が成長する様子が動的に観察された。また、結晶化初期過程において0.22 nmの格子面間隔が多く観察されたが、電子線照射、観察開始直後から1分ほど経過すると0.14-0.15 nmの短い周期性を持つ結晶が現れることがわかった。高分解能TEM像とフーリエ変換像を解析した結果、間隔0.22 nmの格子面は単斜晶Mg2NiH4の(222)面であり、0.15 nmの格子面は正方晶MgH2の(002)面であることが明らかになった。2Mg-Ni膜では、水素ガス導入前後で約7%の膜厚増加が観察された。一方、10Mg-Ni膜ではMg2Niの水素化はSi基板に近い部分で主に観察され、Pdとの界面付近では水素化が起こる初期にMgH2の生成が観察された。水素化に伴う体積増加は、Mg→MgH2の場合で23.9%, Mg2Ni→Mg2NiH4で21.6%であることから、Mg2Ni膜における膜厚増加は水素化前の膜の密度や水素化後の結晶化度と関係しているものと考えられる。
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Research Products
(5 results)